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2020.03.20 夜

琉球の王宮料理は永遠に。@美榮

沖縄料理

那覇市

10000円〜29999円

★★★☆☆

沖縄県民の心の拠り所である首里城の焼失に心を痛めたのは数ヶ月前。再建に向けての活動が真っ只中ではあるが、実は歴史上、5度も焼失しているのだそう。その度に回復してきた県民の努力が、いかに大切な場所なのかを物語っております。次の時代にと貴重なバトンが手渡されてきたのは建造物だけではありません。例えば、琉球料理と呼ばれる料理という文化もまた、先人達のお力できっちりこの時代にも継承されております。

『美榮』琉球における宮廷料理を提供する老舗。昭和33年の創業で、日本家屋である建屋には歩んできた歴史を感じさせます。料理は我々にとって馴染み深い沖縄料理をアップデートしたようなイメージか。いや、これが宮廷料理であるのならば、むしろ宮廷で食べられたいたものが郷土料理として庶民に広まっていったとみる方が自然かもしれません。いずれにしても、沖縄らしい料理を楽しめるレストランになっております。

さて、沖縄料理を代表する食材といえば「豚肉」。様々な部位の豚肉を美味しく食べるための知恵や技術が育まれております。例えば、このお吸い物。中身は「なかみ」という豚肉の胃や腸の部分をシンプルに浮かべたもの。シンプルでいながら、内側の脂を丁寧に削ぎ落とすのに非常に手間がかかるそうです。そのおかげで胃にじんわりと染みる優しさがありながら、豚の旨味も堪能できるスープに仕上がっております。

その他、
豚耳の皮はピーナッツとの和物になり、

ラフテーなどはメインを担います。

聞き慣れないメニューでいえば、「ミヌダル」や「ドゥルワカシー」にも豚肉が使われます。前者は、豚肉に黒胡麻をたっぷりまぶしたもの。蒸し料理とあって余計な脂は削ぎ落ち、栄養価の高い黒胡麻も含めて健康に良さそうなアウトプットになっております。さすが長寿大国、沖縄。

後者は、粘り気のある田芋に豚肉を混ぜて練り上げたもの。味付けがしっかりしており、沖縄名物の泡盛などともぴったりな相性を作っております。

締めにも豚肉は参加しており、名前はずばり「豚飯」。トゥンファンと読むようですが、イメージは炊き込みご飯をお茶漬けにしたような一品です。賽の目にカットされた野菜達が可愛らしいですね。

宮廷料理たる印象を最も残したのが、いわゆる前菜の盛り合わせ。中央にある花烏賊は、蟹のデザインに成型され華やかな印象を作ります。その他、北京ダックを想像させるような郷土料理の1つ「ポーポー」をはじめ、カラシナで作った蒲鉾、玉子の蒲鉾、人参の蒲鉾、牛蒡巻、メカジキの昆布巻きなど。

ちなみに、ポーポーと牛蒡巻にも豚肉が使われております。王族にふさわしい素敵なアウトプットですよね!次の時代に、その次の時代にと永遠に文化が継承されていくことを祈ります。

その他、料理のラインナップ。
「豆腐よう」くぅー、お酒がすすむ一品。

「地豆豆腐」ジーマミー豆腐のこと。落花生を使った豆腐のこと。粘り気があり、濃いめのタレの主張を助けております。

「昆布いりちー」

「紅イモアンダギー」アンダギーで揚げ物って意味らしい。ちなみに、サータアンダギーの”サータ”は砂糖という意味。

「黒糖蜜のタピオカ」

美榮
098-867-1356
沖縄県那覇市久茂地1-8-8
https://tabelog.com/okinawa/A4701/A470101/47002034/

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