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2019.12.15 夜

モダンフレンチのスペシャリテは麻婆豆腐!?@モトイ

フレンチ

京都市

10000円〜29999円

★★★★★

フレンチ、イタリアン、中華、日本料理、様々なジャンルの料理を「融合」させるフュージョン料理。今では決して珍しいジャンルではなくなりすっかり市民権を得ております。一方で、多くの店において個性が埋没しているものも否定できません。その中にあってとてもユニークな料理を提供するのが京都にあるフレンチレストラン『モトイ』。ちなみに屋号はシェフのお名前のようです。彼の料理はフレンチと中華料理とのフュージョンが特徴。ヌーベルシノワとも呼ばれる中華にフレンチの技法を持ち込んだ料理は珍しくないが、彼はフレンチを土台にした料理に大胆に中華料理のエッセンスを盛り込みます。

スペシャリテは麻婆豆腐!?
それを象徴するのがスペシャリテの「麻婆豆腐」。メニューに書かれた文字に違和感を禁じ得なかったが、料理のテクスチャーを見てすぐに納得します。およそ麻婆豆腐とは思えない美しいビジュアル。ただ、肉、豆腐、ラー油で構成されるのは間違いなく麻婆豆腐でございます。

豆腐はムースに仕上げる事で滑らかな本家を超える滑らかさや口溶けを手に入れております。餡も非常に力強い味わいで、辛味もしっかりきかせております。中華料理で長く修行したシェフだからこそ生み出す事のできた逸品と言っていいでしょう。
確かなフレンチの技術があってこそ!
モダン料理にありがちなのが、土台となる技術の問題。中途半端の掛け算が一番危険だが、モトイの料理にこのニュアンスは一切ない。例えば、このフォアグラナチュールの料理。ゆっくりを火を入れたのか、しっとりした味わいながら脂の旨味がきっちり残されております。

柿との組み合わせや多彩なソースを用意するなど、しつこくならない工夫も随所に。しかも、フォアグラとフルーツの組み合わせは鉄板だが、このフルーツを季節で変えるという楽しみも用意されている。やはりフレンチの技術があるからこそ、中華のエッセンスを加えた遊びが許されるのでしょう。

その他の料理、ラインナップ。
「四種のアペリティフ」モッツァレラの中に長芋、生ハムと白玉団子、中華らしいクラゲ、カメノテと酸味を担うヨーグルト。

「坂越の牡蠣のショーフロア」牡蠣の潮の清涼感を昆布出汁の泡のソースで足す。これだけでも好きな味だが、塩気を更に細かく砕いたチョリソーに担わせる。少し過剰な印象もあるが、中華のバックグラウンドを感じさせる面白いアプローチでも。

「豚バラ肉」広東の技法を用いたカリッと皮目にアクセントを。これがモトイ流のチャーシューでございます。

「ブルターニュ産オマール海老とリゾット」中華のエッセンスが爆発。出汁は金華ハム、リゾットには豆豉を混ぜる。間違いなくフレンチなのだが、全くの新しいジャンルの料理に思えてきます。

「サクレクーレ真鯛のポワレ」皮目を香ばしく焼いた真鯛。京都らしさを感じるスッポンの出汁との組み合わせが絶品。更にジャガイモのピュレを加えるが、前述したチョリソーと同じ印象。シンプルな魚と出汁のマリアージュだけでも満足度が高いだろう。

「ロゼに焼き上げた京都肉」生産者への絶対の信頼が窺えるシンプルな炭焼き。

「焼みかんのソルベ」

「バナナのクレーム」

「林檎のデクリネゾン」「ミニャルディーズ」

充実したデザート達。フレンチには欠かすことができませんからね。

モトイ
075-231-0709
京都府京都市中京区富小路通二条下ル俵屋町186
https://tabelog.com/kyoto/A2601/A260202/26019431/

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