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2019.11.24 夜

ペレグリーノ劇場、始まり始まり〜@ペレグリーノ

イタリアン・ピザ

渋谷・恵比寿・代官山

50000円〜

★★★★★

ペレグリーノ劇場、始まり始まり〜。予約最難関の1つ、広尾にあるイタリアン『ペレグリーノ』。高橋氏をトップシェフたらしめた生ハムの出番は後半戦。第一部は、高橋シェフのおくる極上のイタリアンを堪能する会。そして、イタリアが誇る「あの食材」の出番を待つばかりでございます。 

第一部 生ハムの出番は後半と申し上げましたが、いきなりそのエッセンスを感じさせます。イタリアの伝統的なパン、刻んだ生ハムを練り込んだクレシェント。移転前に出していた定番料理の1つで懐かしい味に再会することができました。

スープは「ぎたろう軍鶏のブロード」。水と塩と軍鶏だけで煮出したシンプルな一品。一度も煮立たせることなく15時間もかけて作り上げたスープ。力強くも柔らかい味わいを実現しております。帽子型のパスタであるカペレッティには同じ軍鶏が隠されます。

「迷い鰹のサラダ仕立て」と「牡蠣のオイル煮」。前者は備長炭で火入れ、後者は藁で燻す、イタリアの料理法だけでなく貪欲に日本の技法を取り入れる。

一方で、牡蠣はオリーブオイルで低温調理するなど、イタリアンの範疇の中で遊んでおります。その辺の創作料理とは一線を画すセンスの高さが感じられます。

ここからが「奴」の出番。アルバ産の白トリュフだ!まずはこの時期だけの御馳走、冷たい鴨のフォアグラのテリーヌ、温かいサツマイモのロースとに白トリュフを重ねます。それぞれの温度差のコントラストが香りを際立たせるように、口の中で料理を完成させる。もちろん鼻から抜けていく香りは白トリュフでございます。

こちらもまた定番の白トリュフで和えた「タリオリーニ」。圧倒的な香りをパスタが全て吸い尽くしたように一体感を持って口の中に届きます。う、美味い!!

魚と肉のメインは、それぞれ「クエ」と「真鴨」。クエの淡白さはイタリアの味付けが完璧に補完する。特にバターでソテーしたポルチーニの美味さったらございません。パセリを主体にしたサルサベルデもいい仕事をしております。

備長炭でローストした真鴨のレアの焼き上がりも素晴らしい。

第二部 お待たせしました。ペレグリーノの代名詞ともいうべき生ハムの登場です。たくさんの種類の生ハムのスライスに止まらず、組み合わせなどによって「生ハム」の様々な魅力を見せてくれます。一般的にはサラダだったり、メロンに合わせるのがいいとこだが、ペレグリーノのその領域に止まらない。

 最初は20ヶ月熟成の「サンダニエーレ」。シルクのように美しくスライスされた生ハムを味わった後は、ココット鍋で炊いた白米を生ハムで巻きつける。

粒のしっかりした米の温度が、生ハムの脂を溶かして何とも言えぬ一体感を作り上げます。

次は、北イタリアの「モルタデッラ」。こちらはあくまでもスライスなのだが、今度は器に調理に参加させる。熱々の器がソーセージに大きな影響を与えております。 

3種類目は「チンタセネーゼ黒豚」。ラルド(背脂)はフォカッチャと合わせる。脂の部分など普段は見るのは避けたいが、口当たりは軽く、だけど濃厚なソースのような働きも。ちなみに、フォカッチャってジャガイモが入ってないっていけないんですって。部位違いでサラミの部分もいただきましたが、こちらは爽やかな風味で全く異なる印象を与えます。

お次は本家本元の「プロシュート リ パルマ」の36ヶ月熟成。既出の通りフルーツと合わせるの一般的だが、ペレグリーノでは柿との組み合わせ。季節を意識して変化させていくのは面白いですね。

そして、炭水化物の歴史に残ると言っても過言ではない、揚げパイとの組み合わせ。揚げパイは温度で、生ハムは脂でそれぞれに貢献する。この料理だけでも、どこかの屋台で売っていただけませんか!?

最後の生ハムは最後にふさわしい、王様「クラテッロ ディ ジベッロ」。第一部と第二部の締めくくりにふさわしい、白トリュフの生ハム巻き。強い香りの生ハムに合わせることができるのはきっとこの生ハムだけなのでしょう。ご馳走様でした!!

ペレグリーノ
東京都渋谷区恵比寿2-3-4
https://tabelog.com/tokyo/A1303/A130302/13072775/

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