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2019.09.28 夜

シンプルながら、いやシンプルがゆえ。@片折

日本料理

金沢

30000円〜49999円

★★★★★

日本料理の『片折』、この料理を味わうために全国の食通達が集まっている。金沢城の東側を流れる浅野川沿い、店の前には風情のある景観が広がっております。この情緒あふれる贅沢なロケーションに加え、北陸が誇る豊かな食材達を堪能できることが魅力。地産地消とは言うは易しだが、毎朝片道3時間はかかる道のりを走って食材と直接対話をしているそう。地元の魚、野菜などを手に入れるにとどまらず、水までも汲みに行くというのだから頭が下がります。

シンプルながら、いやシンプルがゆえ。

料理は総じてシンプルながら味わい深いもの。いや、シンプルがゆえに1つ1つの味わいの奥にあるものが際立ってくるかのようです。日本文化が誇る引き算の美学と同じものを感じさせます。その象徴となるのが日本料理の骨幹である出汁。

利尻昆布からとった出汁に、枕崎で一本釣りした鰹のみで作った節で出汁を合わせます。ストレスのない鰹の影響なのか、雑味が一切なく旨味だけがしっかりと抽出されております。もちろん前述の能登の水も使用しており、まさに片折を象徴していると言っていいでしょう。もちろん料理にはこの出汁が使われております。

料理のラインナップのご紹介。

「先付」渡り蟹、木耳、オクラ。主役級の蟹が先付から登場する贅沢。煮凝りとなった出汁の旨味と酢の酸味が胃を優しく起こします。氷見産というオクラは原種のものを使っているんだとか。地元の食材にこだわる大将らしさを感じる一品。

「椀物」主役だった出汁がすぐに脇役を担う。加賀野菜を代表する加賀蓮根が主役で、その白さ、食感、甘味など素材が持つ強みを少しも損なうことなく口の中に連れてきてくれます。

「向付」氷見産のクエ。一晩寝かしたという高級魚は、驚くほど脂がのっております。素材にこだわる、素材を引き出す、そんな片折の実力を感じさせるもの。

「茄子と雲丹」赤土町の茄子と小浜の雲丹。雲丹に負けぬ茄子の味わいで、この茄子も原種のものを選んでいるのだとか。最近の日本料理店では高級食材に頼る傾向があるが、野菜がしみじみ美味いのが本当に素晴らしい。

「鮑のリゾット」宇出津町で獲れた鮑は、収穫後すぐに殻ごと煮込むんだとか。産地だからこその作り方は、風味、味わい、香り、そのどれも東京では味わえないような仕上がりに。

「焼物」カマスと万願寺唐辛子。繰り返しになるが野菜がとにかく美味い。海苔醤油とともにいただくカマスもしっかりした火入れながら、脂は失わず中はしっとりした出来上がりに。うーん、美味い!!

「心太」氷見の天草を使った自家製の心太。なんと氷見でも扱っている人は立ったの2人しかいないんだとか。これも食材を貪欲に探し続ける大将ならではの一品。

「オニカサゴ」氷見産のオニカサゴは非常に流通量が少ない高級魚。

「ひろうす」これが一番の感動。しっとりとした食感に、旨味が口の中で溶けるように舌に浸透していきます。もちろん出汁のアシストも見逃せない。シンプルが故に素晴らしさが際立つ一品。

「白米」能登産のお米

「のどぐろご飯」タレが濃厚なご飯。実はこのタレ、魚の骨で作っているそう。地産地消もここまできたか、自らの旨味で濃厚な味わいを加えたのどぐろのご飯でございます。

片折
076-255-1446
石川県金沢市並木町3-36
https://tabelog.com/ishikawa/A1701/A170101/17011166/

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