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2019.05.13 夜

日本文化を学ぶ@慈生

日本料理

銀座・新橋・有楽町

10000円〜29999円

★★★★☆

平成最後の月に銀座にオープンした日本料理店『慈生』。大将と女将は、財界人や著名人が通う銀座の有名店「壬生」のご出身。会員制の格式高い日本料理店で、訪問のハードルが高い店としても知られます。料理や作法だけでなく、文化までも学ぶ機会を与えてくれるお店。料理屋ではなく「教室」なんて呼ばれる由縁ですね。支払いも月謝袋でお渡しするところにそういうニュアンスが含まれております。さて、その壬生のご出身のご夫婦が切り盛りする慈生。やはり、日本文化に触れる機会がたくさん用意されております。

訪問したのは五月の端午の節句のタイミング。日本では子供の立身出世を願う日として知られますが、古来中国では邪気払いをする日だったそう。このイベントに肖り、ヨモギや菖蒲が飾られます。その下には素敵な盆石の姿も。壬生の時代からずっと学んでいたんだそうです。茶道、華道、習字あたりまでは聞くが盆石というのは珍しい。さすがは「教室」の先生というところですね。

料理のすたーとは「みなも」と題された先付から。新玉ねぎのお寿司が、真っ白なシルエットで登場。ホワイトコーデの下にはワンポイントで味を隠します。

お椀には、八十八夜の茶畑のイメージが込められます。八十八夜とは、立春から88日目のことで、やはり5月上旬のこと。茶畑のような青々とした色は空豆の餡が担当し、歌詞にもある茜襷への意識も感じさせます。その他の具材は大根、白ダツなど。これもまた日本の文化の1つを教えるお椀に仕上がっております。

向付には、鯒、トリガイ、白烏賊。これを支える器は楽慶入のもの。わかっちゃいましたが器への造詣の深さも伺えます。

揚物には、アイナメと、

タラの芽。卵を粉に入れないそうで、素材の味そのものを堪能させてくださいます。

煮物には、若竹と高野豆腐、これに鳴門わかめを合わせます。ちなみに、こいつは木蓮の器でございます。

焼物には、カマスと新蓮根。水菓子には五月病対策にと、苺の中にアロエを忍ばせます。

最後は「日本の宝」と銘打つお菓子。草薙の剣、八尺瓊勾玉、八咫鏡の三種の神器をコンセプトにした料理や器が並びます。

これが剣、

これが勾玉、

これが鏡でございます。

だいぶ更新が遅れているので、若干タイムリーではありませんが、この月は令和最初の月。ここで天皇の証とされる三種の神器が登場するとは、どこまでも「日本」が込められた料理店、いやお教室でございました。お勉強になりました。

銀座 慈生
東京都中央区銀座4-3-2 清水ビル B1F
https://tabelog.com/tokyo/A1301/A130101/13240920/

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