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2019.02.05 夜

受け継がれる名店の「味」@味享

日本料理

銀座・新橋・有楽町

30000円〜49999円

★★★★★

言わずと知れた日本料理の最高峰である京味。独立していったお弟子さんのお店もまた名店に育ち、その「味」を確実に継承していっております。そんな京味からまた素晴らしい料理人が独立した。京味では煮方を受け持った井上享俊氏、まだ30代前半という若き料理人です。店の名前は「味」の字とご自分のお名前を重ねた『味享』。場所は京味と同じ新橋にあり、移転した同じ京味出身者の先輩である「星野」の跡地にございます。名前、味、場所と先達の作り上げたものは受け継いでおります。

料理の最初は体を温めてくれる「粕汁」から。具材にキングサーモンを採用しておりますが、鮭は京味のスペシャリテの1つ。意図的かはわかりませんが、勝手に京味のエッセンスを感じて嬉しくなります。

山菜の季節も始まりましたね。八寸にはセリや蕗の薹などが登場し、湯葉と合わせた揚げ蕨の一皿も。

何気ない料理の1つだが、これが驚くほど美味い。揚油の風味に舌や胃袋が目覚めさせ、湯葉がバランスをとるように機能していきます。なかなか食べる機会が多いものではありませんが、間違いなく生涯で一番美味い蕨でございました。

春を告げるのは山菜だけでなく白魚なんかも。ふんわりとした揚げあがりに確かな技術を確認できます。

もちろん冬の味覚もしっかり楽しめる。山口県産の河豚は、刺身に白子に揚げ物に。

河豚の唐揚げでは、春の食材である菜の花も一緒に。花を模したように唐墨を散らしているのは美的感覚にも優れていることを物語ります。

お椀も冬の食材である蟹の真薯。出汁はかなりしっかりしており、輪郭がはっきりと確認できます。しっかりした味の作り方も京味譲りといっていいでしょう。

煮方出身だけに炊き合わせはお手の物。飾り包丁で菊をかたどった蕪は絶品です。春菊と鴨の肉が傍を固めております。

最後はもちろん食事。これは京味出身者のグループの中で注目したいポイントの1つ。京味では鮭ハラスご飯を提供しておりますが、この存在感が圧倒的。ここに追随するか、新しいアプローチに挑戦するか。味享のアプローチは後者で、鮪の漬け丼を提供しております。

赤身と中トロの部分をテレコで重ねているので、見た目にも美しい料理が完成しております。こうやって京味の「味」は、味享の「味」となって受け継がれていくのでしょう。

味享
03-6812-7168
東京都港区西新橋1-18-8 報徳ビル 1F
https://tabelog.com/tokyo/A1301/A130103/13228116/

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