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2018.08.15 夜

鍛え上げられた美しい料理達。@レストラン ラ フィネス

フレンチ

銀座・新橋・有楽町

30000円〜49999円

★★★★★

「無駄こそが豊かさ」こう語るのは、新橋にあるフレンチレストラン『ラ フィネス』の杉本シェフ。この言葉の意味は入店と同時に理解できる。店に入るとまずはバーカウンターに通され、メニューの説明とアミューズの提供を受けます。席数の限られた空間の中にバーカウンターを設えることは確かに効率的とはいいがたい。

だが、そんな贅沢な空間使いこそが、かえって優雅な気持ちを作り上げます。曲線を生かしたダイニングも同様です。それでは席をダイニングに移して、食事をスタートしていただきましょう。

まるで海の中を再現したような料理から。茄子の揚げ浸しのような料理に、利尻の馬糞雲丹にフランスのキャビアが乗せられます。ミネラルを感じるジュレのソースや海藻が冒頭の印象を強めます。夏にふさわしい涼しげな一品から始まります。

素敵な銀の器でやってきたのは無農薬の野菜達。全て天城軍鶏の出汁で炊いたもの、しかも野菜の旨みが溶け込んだ出汁をジュレにしています。彩りも美しさの一方で、強烈な旨みが隠れております。

お次は松茸とスッポンのコンソメスープ。このままでも絶品の香と味を作り上げるが、仕掛けがいくつも用意されています。

それがこの天然の手長海老のベニエ。これはそのままでも良し、スープをソース代わりにしてもよし。さらに!パンために用意していたバターを入れると、ある意味ジャンクささえ感じるズルい料理が完成します。これは本当に美味い!!

魚料理のメインはボンレスハム!?ではなく、ボンレス鱧でございます。日本料理では鱧の骨切りをしているシーンが定番ですが、ラ フィネスではなんと鱧の骨を全て手で抜いているのです。その数498本、その執念に頭が下がります。結果として湯引きする必要のない鱧は驚くほどしっとりした食感。食後感がびっくりするほど軽い。隣に鮑もいるが、ソースはこの2つから作ったもの。これまでの鱧に対する常識が壊された上、人生でたべた最高の鱧にランクインしました。

肉料理は鴨丼。フレンス語の正式名称も聞いたが、完全に失念してしまいました。刻み海苔かと思ったのは包丁で丁寧にカットされた黒トリュフ。その他、とろとろのスクランブルエッグ、ピラフの中のフォアグラで構成されます。このフォアグラはコンソメの中で煮込んでいるそうで、臭みがないどころか旨みがしっかり足されております。フレンチのメインって重たくてつらいときもあるが、これは大盛りで食べたいくらい。笑

ここまで料理のご紹介でしたが、ワインの話をしないわけにはいきません。結論から言うと、ペアリングは必須。ボトルでもお目にかかれないようなワインの数々をグラスで提供してくれます。シェフはフレンスでの修行時代、ブドウ栽培からワイン醸造などができるオノローグにも従事していたそう。ワインへの造詣の深さは、ある意味ソムリエのレベルを圧倒しているのかも。少なくともペアリングしてもらったワインと食事の相性は抜群のものでした。ラ フィネスでワインを飲まないのは本当にもったいない!

最後に。フィネス(FinS)という屋号の中の”fin”は、フランス語で「鍛え上げられた美しさ」という意味があるそう。経験と知識、その鍛え上げられた技術が作り上げる美しい料理の数々。語尾の”S”は杉本シェフのイニシャルも隠れていますが、シェフの料理をそのまま表現したようなお店の名前でございます。

レストラン ラ フィネス
03-6721-5484
東京都港区新橋4-9-1 新橋プラザビル B1F
https://tabelog.com/tokyo/A1301/A130103/13139171/

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