東京の新名所となる東京ミッドタウン日比谷。2018年3月末にオープンしたばかりの商業施設で、六本木のミッドタウンに続く2つめのミッドタウン施設。ファッション、ライフスタイル、映画館などを含む複合商業施設だが、今回ご紹介させていただくのはもちろんフードでございます。京都の老舗の日本料理店から立ち飲みの店など様々なレストランが入居するが、その中でも最も注目を集める店の1つが『鮨なんば』。
何ヶ月も予約がとれない阿佐ヶ谷の人気寿司店の2号店。阿佐ヶ谷の店舗は弟子に任せて、大将自ら新しいカウンターに立ってお客様を迎えております。店のこだわりは「温度」。寿司は人肌なんて言われており、温度にこだわること自体には目新しさはない。だが、1℃単位で温度にこだわったお店は他に見たことがあるでしょうか。しかも、それを大将の感覚だけで実践するのではなく、温度計を用いて我々にも理解できるところで勝負しております。
百聞は一見に如かず。何はともあれメニュー表をご覧ください。ネタの下にはシャリの温度(左)、ネタの温度(右)が記載されております。もちろん経験値があるとはいえ、ここにたどり着くまでのトライ&エラーの数は計り知れませんね。握ることによる温度変化まで計算し、蒸し器を付けっぱなしにすることでいつでも調整可能な環境を作っております。言い過ぎではなく、なんばでは秒単位で温度をコントロールしているのです!
握りの前に少しだけつまみをご紹介。メニューには記載がないが、こちらでも十二分に温度へのこだわりをみせています。最初の塩締めした「鰹」、さっぱりとした印象で、気温の高くなった季節の暑さをとってくれます。お皿の温度を冷やすことでその印象を強めているようです。
そして、日本酒へと誘うこの「鮟肝」。甘さが際立ちますが、炊いた後にしっかり冷やす工程を経ることで、甘い味が全体に馴染んでおります。
それでは温度に注目しながら握りをいただいていきましょう。最初に紹介したいのは「白魚」。基本的にはネタよりもシャリのほうが温度が高いが、この「白魚」では温度が逆転しております。つまり火を入れているんですね。これがシャリとともに口の中で溶けていくような印象を作っております。しかも、この温度管理のために二貫づつしか作らないという徹底っぷりです。
温度の変化をわかりやすくするために特別に用意してくれたのは「中トロ」。ノーマルの温度を上げたものと2ついただきましたが、温度を高く設定したマグロは珍しい。
脂が臭くないからこそできる技。素晴らしい素材を扱っていることの証明でもありますね。ねっとりと旨味が口にまとわりついていきます。
赤むつにも火が入る。少しだけ温度の高い(25度)ということは、レアな火入れであるということ。これが脂を溶かしてシャリに旨味が浸透しています。シャリも連動するかのように温度を高めで調整しているので一体感が抜群です。
ついつい温度ばかりに注目してしまいがちだが、こだわりの一級品の素材、赤酢と米酢の使い分け、ネタとシャリの大きさのバランス、経験が生み出す工程など1つ1つのこだわりが非常に強い。東京の新名所となる東京ミッドタウン日比谷の名所はここ「なんば」に間違いない!予約サービスの「OMAKASE」から可能なので、ぜひトライしてみてください。
つまみ、メモ。
「蛸」佐島産の2キロアップ。塩で少し調味しただけで蛸の旨味のみ。
「蛍烏賊」燻製の香がたまらない
「牡丹海老」増毛産の特大サイズ
「蒸し鮑」舞鶴産
「穴子」対馬産。キュウリと一緒にうなきゅうならぬ穴きゅう
握り、メモ。
「真子鰈」力強い食感
「墨烏賊」
「春子」塩を最後にあてる。ふわふわな食感を作り出す。
「赤身」
「細魚」
「金目鯛」甘めな味付け
「車海老」
「穴子」ふわふわ。まだ味がついてきていない。
「玉子」芝海老の香り
「巻物」まぐろ
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鮨 なんば 日比谷
03-6273-3334
東京都千代田区有楽町1-1-2 東京ミッドタウン日比谷 3F
https://tabelog.com/tokyo/A1301/A130102/13219857/