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2017.06.11 夜

料理にかける「工数」が桁違い!@トゥ・ラ・ジョア

フレンチ

名古屋市

10000円〜29999円

★★★★★

約10ヶ月ぶりの『トゥ・ラ・ジョア』訪問!前回もお伝えしましたが、天才(変態?)シェフの須本さんは二度と同じものを作りません。だが、彼の凄みはそれだけではない。もちろん、どの飲食店だって努力は重ねているでしょうが、彼が料理にかける「工数」は桁違いなんです。理由は手間がかかるからだし、味が複雑になり整合性がとれなくなるからだろう。その全てをクリアしてくることがすごいのだ。

例えば一品目の「甲烏賊と蓴菜のカクテル」。
長崎産の甲烏賊を氷温で5日寝かせ、ティッシュほどの薄さに切ります。ここに生の蓴菜と鰹出汁、ホタルイカの魚醤を加えます。烏賊のために烏賊のソースを作る。一体感などは言わずもがなです。さらにキャビアで塩気を作り、プロシュートのアミノ酸で旨味を重ねてきます。これ料理番組で説明されたら全員口がぽかーんってなるでしょうね。笑

名古屋名物の鰻だってシェフの手にかかれば新しい料理に。「鰻のオーブン焼き」。
天然鰻(宮崎県産)の上に天然の鯛(師崎産)を乗せて、パートフィロのシートで巻いてオーブンで焼く。ソースには、醤油に実山椒、青紫蘇に青唐辛子、カンパリをつめたものに奈良漬のエスプーマ。味は想像がつきづらいかもですが、冒頭の言葉を理解してくれたでしょうか。単純な苦味や甘味といった味覚だけの刺激に止まりません。 

「味来の冷製スープ」では九州産のトウモロコシを様々な表情で提供してくます。生で一粒づつ煮詰めた自身の水分だけで作ったスープとポップコーンの形で提供。しかも脇を固めるメンバーがみんな主役クラス。スープにはダブルコンソメや白トリュフオイル。さらにはフォアグラのパウダーなんかもついてきます。

ポップコーンもなんと白トリュフオイルを使ってるんだとか!映画館で食べたら確実にクレーム来ますね。笑

「和牛角煮の中華パン」
中華パンの中身はとろとろの宮崎牛のリブロースの角煮。サマートリュフとは思えないほど芳醇な香りが手の中におさまります。そしてお隣の名古屋コーチンとフカヒレのスープでは、ついに料理のカテゴリーを超えてきました。

なんと医療用の遠心分離機を使っているそうです。あまりの衝撃にその効果が何たるかは忘れました。笑 

「天然帆立貝のプッチンプリン」
さてさて、だんだんおかしくなってきましたね。今度は数式が崩れ去ります。須本さんの料理は、1+1+1=10にしてきます。青森の陸奥湾の帆立のクリームに、干し貝柱のスープをかけて、帆立せんべいとともにいただきます。

帆立に攻め立てられて、明日は帆立に食べられる夢を見るかもしれません。

「生ウニの平戸牛巻き」
オイルバスで1時間半、低温調理で油浴された芯だけを使った平戸牛のサーロイン。ひとっ風呂浴びた後は、自身で作ったビーフコンソメに浸されます。包まれた馬糞雲丹はさながらサーロインのソースってことですね。雲丹と牛肉のマリアージュは珍しいものではないが、やはり工数に違いがみられます。

「オマール海老のカッペリーニ」
また恒例の算数の公式ですか。今度はブルーオマールのコンソメジュレ、ソテー、海老味噌のソースで作られます。トゥ・ラ・ジョアの料理を食べ続けるときっと算数が苦手になるでしょう。笑

「メロンと杏仁のスムージー」
お、これは再構築系ですね。あのバブル時代を彷彿とするメロンにブランデーぶっこむやつです。ここでは、最高級のメロンのスムージーとブランデーの泡ですけどね。ある意味バブル時代を超えた贅沢ってことです。バブルを一切味わえなかった世代だが、追いついた気分です。いや、追い越した気分です。

久々に気合で全メニューのレビューをしてしまいました。だって、二度と同じ料理に出会えないのだから。記憶にも記録にもしっかり焼き付けておきたいですよね。

1回目の訪問
「二度と食べられない!?一期一会の「トゥ・ラ・ジョア」料理。@トゥ・ラ・ジョア」
https://blog.33inc.jp/2016/08/14/28352/

トゥ・ラ・ジョア
愛知県名古屋市中区正木1-13-27
https://tabelog.com/aichi/A2301/A230105/23033296/

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