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2017.05.19 夜

野嵯和は確かに名古屋にありました。@野嵯和

日本料理

名古屋市

30000円〜49999円

★★★★★

名古屋には蜃気楼があらわれる。正式には蜃気楼のような店があらわれる。そこに見えているのだがたどり着けない、つまり予約がとれない店が多いのだ。今回あらわれた蜃気楼は『野嵯和』。店を閉じたと聞いてからは、ただ憧れることしかできなかった野嵯和が今年の4月に再び始動。見えなくなった蜃気楼との出会いが現実のものになりました。まずは、お誘いいただいた方々に深く感謝を申し上げます。

第一印象は同じく名古屋にあるフレンチ界の蜃気楼「トゥラジョア」と同じもの。
和食の世界で同じ印象をもったことはほとんど記憶にない。単なる創造性という言葉では語れない、意外性と説得力を双方併せ持つ強烈かつ繊細な料理が並びます。

最初の料理「トリ貝(閖上)」。
片面だけを炙ったトリ貝に合わせるのはソースが面白い。香りもいい玉ねぎの風味などまでは想像できるが、なんとここに柑橘とマスタードを合わせてきます。初っ端からバラバラな味覚を提案しつつ、一体感のある料理が完成しています。

「アスパラガス」では雲丹、キャビア、車海老などの高級食材をふんだんに使いつつ、土台は季節の山菜が支える。蕗の薹の味噌、蕗の薹をくだいたもの、タラの芽を揚げたものなどだ。「洋」が原産の食材と「和」が原産の食材が見事にまでマッチし、それぞれの繊細な味を舌に届けてくれます。

個人的にはこれに驚きました。地の「赤貝」「くちこ(青森)」「あさり(三河)」の乾き物。通常は日本酒のアテとして通りすぎていくものだが、つい立ち止まってしまいました。河豚の白子のソース を使う贅沢さはもちろんなのだが、その食感に驚くを隠せず。乾燥してるのに中身がしっとりしているというおよそ不可能な仕上がりなのだ。大将は表面だけを乾燥させると簡単に言うが、誰もができることでない。

ここからは為すがままだ。「毛蟹(根室)」は細かくカットされたサマートリュフが提案性のある味を作り出し、「タラバガニの真丈」では鰹と昆布の深い出汁の旨味を感じさせてくれる伝統の日本料理らしい味を提供してくれます。

この対比は続く。「鰹」には焼き海苔のポン酢と紫蘇、梅、オリーブオイル、魚醤を使ったソースが合わせられる。これが驚くほど美味いのだから恐れ入る。一方で魚をねかせるという伝統的な技術をもって刺身(アイナメ、アオリイカ、ひらまさ、太刀魚)の旨味が引き出されます。

個人的な後半のクライマックスは「金目鯛(千葉)」。これが幽庵焼きであり西京焼きでもあるのだ。味を重ねていく天才かと思いきや、調理法まで重ねてきました。この絶妙な味付けにあわせるのがカシューナッツというのも斬新。勝手ながら野嵯和料理を知るのに象徴的な料理という印象を受けました。

再び始動した野嵯和。初訪問が叶いましたが、予約が困難なことには変わりがありません。蜃気楼のようなプラチナシートのチャンスを見逃さないように、名古屋のほうを見つめていたいと思います。笑 繰り返しになりますが、お誘いいただいた皆様、ご一緒いただいた皆様、そして大将、女将さんに深く感謝いたします!ご馳走様でした。

その他の料理メモ。

「本鱒の蒸し焼き」包み紙を開けば花山椒の香り。漬け込んだものを蒸してるので味の浸透度が高い。

「鰻と鮎」特に鮎に驚き。柔らかい食感はもちろん、苦味よりも旨味が口に広がります。

「鱧と蕗の揚げ物」

「飛騨牛のとも三角」バター、ネギ、行者にんにく

「オコゼの漬け」干し椎茸、土佐酢

「鮑のお茶漬け」

「デザート」

野嵯和
愛知県名古屋市
https://tabelog.com/aichi/A2301/A230109/23063362/

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