かれこれ3回目の『成生』。まだ3回かと思うほどしっかりと記憶に残ります。「成生」の天ぷらの特徴は、地元の食材を楽しめること。富士山や駿河湾の恩恵を受けた静岡の食材がとにかく絶品なんです。これに最上の技術で食材の旨味を全て天ぷらに閉じ込めてくれるのです。
静岡でとれた新ワカメの椀からスタート。
出汁は鰹に、塩気はワカメのみ。あとは勝手に出汁がでてくるだなんて、まさに静岡の恵み。冒頭から期待感が高まります!
まずは、海の恵をご紹介。
駿河湾の5.2キロアップの「平目」から。エンガワの厚みなどもはやエンガワと呼びがたいほど。脂が口の中で溶けていきますよ。
「手長海老」や「白魚」など静岡の魚介が続く。手長海老って深海に住んでるですって。これも日本一深い駿河湾だからこその恵み。
白魚は大井川の下降ですくって獲っているのだとか。希少な素材は天ぷらなのにみずみずしいんです!鮮度が全然違う。〆の天バラでもこの白魚を出してくれました。
クライマックスは「鰆」。なんとなんとの9キロアップ!! 志村さんもこんな大きいのを扱うのは初めてだと。これこそ自然が生んでくれた恵みですね。贅沢な切り身は衣の中で蒸されて綺麗なピンク色に。火入れにこだわるフレンチのシェフだってこんな火入れは実現できない。これぞ天ぷら職人の矜持。たっぷりの木の芽とともに鰆の最高の脂を楽しませていただきました。
その他、海の恵。
「鯵」青臭さが全くないのも鮮度の力か。ふわふわなのは技術の力か。
「メゴチ」がぶっといきましょう。ちまちま食べると旨味が逃げちゃいますよ。
「蛤」内湾で獲れた蛤。
今度は、山の恵をご紹介。
静岡の岡部産の「筍」。地熱高いから筍が出てくるのが早いのだとか。場所によって熱線をいれることもあるそうだが、恵まれた静岡の大地では必要がないということ。下茹でやアク抜きが必要なく、油の中でとんじゃうのだとか。みずみずしさには驚きを隠せません。下茹でしてないから食感も担保されます。
富士山の麓でとれた「大浦牛蒡」。
土からでた瞬間に圧力から開放されてヒビがはいるんだとか。音が聞こえるほどなんですって。凄い密度で土の中にいるんですね。蒸し料理らしく中は熱々で柔らかく仕上がります。
野菜の一番のお気に入りは「新玉ねぎ」。潤いが多いというより、潤いしかないというほど。天ぷらが蒸し料理というか脱水料理であるという証明ですね。衣からは水分が抜けてサクっとした食感を生み、衣を壁にして中の具材の水分を保持させる。成生の天ぷらの技術の高さを再確認できる一品。
その他、山の恵。
「蓮根」今年最後の蓮根。水を抜いたところにある深い蓮根だそうで、収穫も大変なんだとか。
「人参」食材の旨味そのまま。
「サラダ」真烏賊、黒キャベツ、芽キャベツ、スナップエンドウ。静岡野菜ってすごいですね。
「さつまいも」皮をまびく。中の糖分が皮にひっかかるから。
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1回目の訪問
「絶世の美女と絶品の天ぷらを!@成生」
https://blog.33inc.jp/2016/08/21/28310/
2回目の訪問
「静岡にくる理由は「成生」があるからです。@成生」
https://blog.33inc.jp/2016/11/19/27517/
てんぷら 成生
静岡県静岡市葵区鷹匠2-5-12 1F
https://tabelog.com/shizuoka/A2201/A220101/22015243/