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2016.08.08 夜

いま最も注目を集める男「天本正通」の握る鮨@東麻布天本

寿司

六本木・麻布・広尾

10000円〜29999円

★★★★★

東麻布の新星の如く現れ、瞬く間に輝きを放ち始めた鮨の『天本』。いま彼は鮨の世界で最も注目を集める人物の一人といっていいだろう。

オープンした6月3日の時点でなんと既に予約は数ヶ月先!ミトミえもんもオープン前にお願いしたようやくこの日が初訪問である。

開業前の人気ということは期待感の表れ。その経歴が凄まじい。先日惜しまれながら亡くなった「海味」の大将の一番弟子として9年間に及ぶ修行を経る。そして、滋賀の名店「しのはら」、京都の「ささ木」で日本料理を学んでの独立。

人気の理由はもう1つ。天本氏の人柄そのものだ。実はミトミえもん自身も「しのはら」が出会いだったのだが、ずいぶん前から知り合いだったような感覚だった。人柄はキャラクター性だけでなく、料理への向き合い方からも伝わってくる。どうしても期待をしてしまうのだ。

さらに驚くべきは、京都の「未在」のデザインを請け負った重鎮が内装を担当したのだとか。ルーキーへの期待の高さは尋常じゃないですね。高卒のルーキーのバットをミズノの久保田名人が作ったようなものだ。鮨ファンから職人までその注目度は高いようだ。

しのはらさんの影響が強いのかつまみの充実度に驚く。しかも全力疾走で食材に多くの時間も投資され、少しの妥協も見られない。少し心配になるほど。笑

お気に入りをいくつかご紹介。三河湾産の「鰯のオイル煮」。美しく光る色の正体はオイル。

オイルと梅干しと水だけでシンプルに2時間煮たもの。鰯の味もすったオイルはパスタに使いたいくらい。骨まで柔らかくストレートに旨味が届いていきます。

今日は地元東京湾の食材が多いのも嬉しい。千葉県は竹岡産の「コチの刺身」が驚くほど美味。

食べごろな食感に相性抜群のちり酢て食べると、カウンターから声があがるほど。天本氏の地元である九州の「赤雲丹」は自らのネットワークで仕入れているのだとか。

箸休めの「白川のスープ」玄界灘でとれた2.4kgの白川甘鯛を使用。国産は貴重というが、さらにこの大きさだ。

骨と頭を塩して焼いてスープを作る。白川の骨は唯一甘さがでるのだそうだ。甘鯛の皮を焼いて香りもつけている。身を握りに預けてアラでこれでけの物を作るとは。

自家製の「ミンククジラのうねす」。こちらも千葉県産。

うねすとは、うねの中でもさらに希少な部位なのだとか。鯨の香りがいいと思ったのは初めて。

後にも先にも一切の臭みもなく、しかも口の中での風味の滞在時間を永遠かと勘違いするほど。芥子などを使う必要は一切ない。すでに脂の旨味をもう一度堪能したい!

15種をこえるつまみを終えて、握りのスタート。西出身らしく最初からぷりっとした「鯛」の握りで幕開け。

いつもは地元福岡の鯛を使うそうだが、珍しく東京湾のものを使用。コチ同様旨味たっぷり。

大好物の光物も充実。木更津産の「しんこ」二枚重ねでふっくら。

対馬産の「いなさば」は絶品。本当に鮮度のいい魚はキラキラしてるんだそうです。人間と一緒ですね。これはうまい!

海味ゆずりの銚子産の「黒ムツ」の松前漬け。師匠は鰆でやっていたそう。ねっとりしたつるんとした食感が面白い。味のバリエーションとしても面白い。

最後の「玉子」にまた天本氏の人間力が見える。ふわふわな仕上げにはメレンゲを使う。まるでデザートのような玉子焼きが完成している。

なんとパティシエの小山進氏からメレンゲの作り方のアドバイスをもらったそうだ。やはり天本氏のまわりに集まるメンバーとその愛情は凄まじい。

そういうミトミえもんもすでに天本さんのファンの一人に。錚々たるメンバーの中では微力ですが、これからも応援させていただきます。

その他、つまみ。

「もずくとモロヘイヤのお浸し」
「鰯のオイル煮」三河湾産。梅干しとオイルと水だけで2時間煮る。骨まで柔らかい。醤油で味付けするとパサつく。
「このこの飯蒸し」全国一の七尾産。甲賀のもち米を使用。日本酒との相性が抜群。
「煮蛸」佐島産の3.2kgの雄。ここまで大きいものを使うのは珍しいそう。
「干数の子」出汁醤油につけて酒粕と西京味噌とみりんでのばしたもの。
「鰹」気仙沼の曳き縄の鰹。塩じめ。滑らかな口どけ。
「毛蟹」オホーツク産。スダチだけで。味噌の甘味もしっかり感じられる。
「鮑」大原産。大黒鮑。蒸しのみで香りを残す。900gの大きさ。
「鰻」宍道湖の鰻。二週間寝かせて脂を調整。直焼きでじっくり皮目をパリッと仕上げる。
「塩辛」
「げそ」
「赤ムツの幽庵焼き」対馬産の紅瞳。焼き上げて脂をだすほうが断然うまい。

その他、握り。

「鰯」岸和田。生姜だけ。加工してない鰯が一番うまい。
「新イカ」
「白川」熟成四日目。
「赤身」佐渡島の定置網。
「中とろ」
「雲丹」岩手産の馬糞ウニ。贅沢すぎる盛り付けで十分に風味を広げる!
「鯵」竹岡産。あっさり。
「天然車海老」豊後水道。あっさり。かなりのビッグサイズ!
「穴子」千葉産。

東麻布 天本
東京都港区東麻布1-7-9 ザ・ソノビル 102
https://tabelog.com/tokyo/A1314/A131401/13196420/

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