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2025.12.06 昼

混ぜて整う、スパイスの祈り@アーユーボーワン

カレー

柏・松戸

1000円〜2999円

★★★★☆

柏駅から歩いてすぐ、両手を胸元で合わせた巨大なオブジェが、まるで訪れる者に祈るような所作で迎えてくれる。店名の『アーユーボーワン』とは、スリランカの言葉で“長寿を”という意味の挨拶。相手の健康と幸せを願う、ただの言葉ではなく祈りに近い文化だ。その精神をそのまま屋号に掲げたこの店は、スパイスを通じて身体と心を整えることをテーマにしている。インドとスリランカの料理を軸に、2階ではアーユルヴェーダサロンまで展開。“食べること=生きること”を体現するような空間がここにある。

主役は「コロンボプレート」。バスマティライスを中心に、豆カレー、ココナッツふりかけ、青菜の炒め物、サラダ、スパイスヌードル、パパダンといった副菜たちがリズミカルに配置される。そして中央には、スパイスを纏わせて焼き上げたチキンと香ばしい青魚。チキンは肉の旨味がしっかり引き出され、スパイス感もありながら過剰でなく、あくまで“混ぜる前提”の設計。青魚は皮目の香ばしさが際立ち、脂のコクとスパイスの辛味が溶け合う。

このプレートの妙は、とにかく混ぜること。それぞれの構成要素はシンプルだが、合わせていくことで複雑な香りや食感が生まれていく。マスタード、黒胡椒、乾いたスパイスなどの刺激装置が全体にちりばめられており、食べ進めるごとに辛味の輪郭が立ち上がる。後半にはじんわり汗ばみ、気づけば無心でかき込んでいた。

締めに供されるのは、スリランカが世界に誇る名産・セイロンティー。紅茶の爽やかな香りがふわりと立ち上がり、口に含めば後味はすっきりと清らか。スパイスの熱を静かに落ち着かせ、食後の余韻を丁寧に整えてくれる一杯だった。

『アーユーボーワン』は、スリランカの挨拶に込められた願いを、食というかたちで表現した店だった。挨拶から始まり、混ぜて整うプレート、セイロンティーで締めくくられる流れには、祈りにも似た一貫した思想がある。力強さよりも調和、派手さよりも調律。スパイスという強い個性を、健康と穏やかさへと結びつけたアプローチは、今の時代にフィットする食の在り方だろう。ご馳走様でした。

アーユーボーワン
0471-86-6587
千葉県柏市東上町2-24 1F
https://tabelog.com/chiba/A1203/A120301/12033520/

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