2025.11.18 昼 江戸の気配に包まれる、ひがし茶屋街でひと息@久連波 デザート 金沢 1000円〜2999円 ★★★☆☆ 金沢・ひがし茶屋街。江戸時代から続く石畳の道を歩くと、木造町家が静かに寄り添うように並び、時の流れがゆるやかに巻き戻っていく。その一角に暖簾を掲げるのが、古くは江戸期に呉服屋として歩みを始めた家系をルーツに持つ甘味処『久連波』。和の文化と町家の情緒が自然と溶け合い、まさに伝統が息づく休息所といった趣だ。 座敷に上がると、その空気はさらに深まる。障子越しに差し込む柔らかな光、畳の匂い、赤漆の卓。どれもが江戸の仕事を継ぐ家の奥座敷に通されたかのようで、観光の喧騒から一歩だけ内側へ入った別世界が広がる。 この日の「抹茶だんごセット」。まず視覚を掴むのは、抹茶きな粉をたっぷりまとった「抹茶だんご」。緑の濃淡が、町家の落ち着いた木色に映えて、品よく佇む。口に含めば、もちっとした柔らかさに抹茶の香りがふわりと寄り添う。甘さも過剰に主張せず、歩き疲れた身体にやさしく染み込む。添えられた塩昆布の塩気がまた心地よく、自然ともう一串へ手が伸びる。 お抹茶は泡立ちも柔らかく、渋みの角が取れた一服。だんごの甘みと調和しながら、江戸の茶屋文化の名残を感じさせる落ち着いた味わいだ。 久連波の良さは、ひがし茶屋街の空気がそのまま甘味に寄り添っている点にある。観光の途中で少しだけ立ち止まり、町家の座敷に腰を落ち着ける。その穏やかな時間こそ、この店が提供してくれる何よりの価値だ。ご馳走様でした。 — 久連波076-253-9080石川県金沢市東山1-24-3https://tabelog.com/ishikawa/A1701/A170101/17000663/