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2025.10.30 夜

炭と鶏で語る、白金の正統派焼鳥。@やきとり 陽火

焼鳥・焼きとん

目黒・白金・五反田

10000円〜29999円

★★★★☆

白金の夜は静かだ。街灯の届かぬ路地の先に、ふっと灯る行灯。その小さな明かりに吸い寄せられるようにして辿り着くのが『やきとり 陽火』。2020年7月創業、『やきとり阿部』の姉妹店にして、『鳥しき』の系譜を受け継ぐ一軒。つまり、焼鳥界における“正統”のDNAを持つ存在だ。

そして、この系列のお家芸といえば“ストップ制度”。『陽火』でもその仕組みがしっかりと受け継がれていて、客の食べ進み方に合わせて自然と焼きが進む。鶏は系列でおなじみの伊達鶏。通常より脂のノリがよい印象だったが、いまがちょうどいい時期なんだとか。

「さびやき」から始まり、胸肉のしっとり感に山葵の清涼感が抜けていく。火入れの精度が高く、淡白な部位の魅力を引き出している。

「うずら」は半熟の黄身がとろんと流れ、塩の加減が絶妙。火入れの妙が一口で伝わる。

「かしわ」は肉の旨みが力強く、タレの甘香ばしさがあとを引く。

「あかなす」は茄子の糖が炭火でキャラメリゼし、タレの塩気と絡み合う。

「ハツ」はぶりんっと弾け、噛むたびに血の旨味が染み出す。

「軟骨」はコリッと軽快、うっすら味噌の香りが塩気を与える。

「新銀杏」は秋のほろ苦さが良いリズムを作る。

「肩」はしっかりした歯応えで、噛むほどに旨味が滲む。強い食感が全体の流れを引き締める。

「つくね」は粗挽きの噛み応えとタレの照りが見事。王道にして完成度が高い。

「砂肝」は塩気やや強め。だがこれは酒との“設計”だろう。塩味が旨味を押し出し、飲み手を呼び込む。

「手羽先」は皮パリッ、中ふっくら。骨の近くの脂まで甘く、終盤の見せ場にふさわしい。

「ししとう」は軽やかな苦味で流れにリズムを。

「あか」は赤身の濃さが魅力。脂に頼らず肉の芯で勝負する一本だ。

締めは「そぼろ丼」。ここにも“焼鳥屋の肉”がしっかり生きている。細かく刻まれたそぼろからは鶏の香ばしさと脂の旨みが立ち上がり、丼というより“もうひとつの肉料理”のよう。中央の卵黄を崩せば、まろやかさが全体を包み込み、最後の一口まで箸が止まらない

全体的に塩はやや強めだが、酒との相性を考えれば納得。ワインや日本酒のラインナップも幅広く、好みの一杯と合わせてゆっくり楽しめる。焼きは安定感があり、正面から焼鳥と向き合う真面目な仕事ぶり。肩の力が抜けていて、今の白金らしい温度感の一軒だ。ご馳走様でした。

やきとり 陽火
050-5597-8644
東京都港区白金5-8-13 白金ハイツ 1F
https://tabelog.com/tokyo/A1316/A131602/13247688/

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