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2025.10.05 昼

コーヒーの余韻に、チョコレートの旋律を添えて@Cafe Bach

喫茶店・カフェ

千住・綾瀬・葛飾

1000円〜2999円

★★★★☆

南千住の一角に静かに佇む、1968年創業の老舗『自家焙煎珈琲屋バッハ』。重厚な木製の看板には、巻き髪のカツラをかぶった男の横顔──音楽家ヨハン・セバスティアン・バッハその人だ。創業者・田口護氏はクラシックを愛し、バッハはまたコーヒーを愛したと言われる。そこにあるのは単なる引用ではなく、深い敬意だ。バッハが音楽という芸術に魂を注いだように、田口氏もまたコーヒーを芸術の域まで高めようとしているのだろう。

ただ、正直に言えば俺はコーヒーが少し苦手だ。香ばしい香りには惹かれるが、一口飲むと苦味が先に立つ。そんな自分でも心惹かれるものがあるそれが「チョコレートケーキ」だ。

黒く光る端正なフォルム。フォークを入れればしっとりと沈み、口に含むとカカオの濃厚な旨味とともに、しっかりとした甘さが広がる。けれども重たさはなく、後味は驚くほどすっきりと消えていく。味のまとまりの良さが印象的だ。

苦味と甘味が静かに溶け合い、気づけば店内に漂うコーヒーの香りと一体になっている。その完成度に、コーヒーが飲みたくなるという人の気持ちはよくわかる。きっとこのケーキは、コーヒーと寄り添うことで、さらに深い余韻と新しい調和を生むのだろう。

『自家焙煎珈琲屋バッハ』。ここには、長い年月をかけて磨かれた落ち着きがある。コーヒーが苦手な自分でさえ、この空気の中では自然とその香りに惹かれていく。一杯の香りと一皿の甘味が寄り添いながら、静かに余韻を奏でていた。ご馳走様でした。

Cafe Bach
03-3875-2669
東京都台東区日本堤1-23-9
https://tabelog.com/tokyo/A1324/A132401/13003759/

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