2025.05.21 夜 魚で焼肉、という新常識。@焼うおいし川 六本木凛華楼 日本料理 六本木・麻布・広尾 10000円〜29999円 ★★★☆☆ 焼肉といえば牛。最近では、鶏焼肉も市民権を得たが、「魚焼肉」と聞けば、まだまだ耳慣れない。 囲炉裏でじっくり炙るような古風なスタイルでもなく、ここ六本木の『焼うお いし川 凛華楼』で繰り広げられるのは、専用のロースターで魚を焼く、まさに“魚焼肉”の体験。 手がけるのは築地青空三代目グループ、すなわち鮨のプロフェッショナル。握らずに焼く。その大胆な発想が、魚焼肉という新ジャンルに帰着している。 最大の見せ場は、「至福の三色丼」。雲丹、いくら、そして焼きたての本鮪大トロ。バチバチと音を立てる鉄板の上で、スタッフが目の前で丁寧に焼き上げると、そのままご飯の上へ──あつあつの香ばしさが、雲丹といくらの冷たい旨味を包み込み、極上のハーモニーを奏でる。まさに「焼うお」スタイルの真骨頂。視覚でも味覚でも、ドラマチックに心を掴まれる。 もう1つの見せ場は、やはり「焼うお盛り合わせ」。赤身や白身、脂乗りの良い部位が彩り豊かに皿を飾る。古伊万里を思わせる色鮮やかな器の上に、トリガイ、鮪、河豚、鰆、穴子、のどぐろなどが整列。柑橘や薬味、特製ダレなど、部位ごとに調味を変えて楽しませる工夫もあり、まるで寿司カウンターで出される握りのように一つひとつが丁寧に仕上がる。焼き網の上でそれぞれの魚が跳ねるたびに、香ばしさと期待が高まる。 その他の料理も充実しており、「冷やし茶碗蒸し 空豆餡」から始まり、 「真鯛」「ハタ」「牡丹海老」の「造り」、 「本日のサラダ」、 そして「白茄子とクレソンのお浸し」「河豚の皮の唐揚げ」「ザーサイの浅漬け」からなる「副菜三点」などが、 魚焼肉を取り囲む脇役として構成されている。「帆立とアスパラの二色酢和え」 「河豚の唐揚げ」 「蛤出汁の冷麺」 「苺アイスクリーム」まで揃えれば、もはや一つのコース料理としての意識が高い。 ただ、これだけ魚を焼くという新ジャンルに挑んでいるのだから、もっと「焼き」に寄せた構成にしても面白かったのでは──というのは、焼き魚マニアの小さな欲望。とはいえ、脂が重たくなりがちな肉の焼肉に比べて、魚は驚くほど軽やか。いわゆる「焼肉」とは違う、まったく新しい食後感を味わえるのが、この店最大の価値だ。ご馳走様でした。 — 焼うおいし川 六本木凛華楼050-5570-9142東京都港区六本木6-2-6 GEMS六本木 5Fhttps://tabelog.com/tokyo/A1307/A130701/13262522/