2025.05.01 夜 銀座に宿る、老舗の揚げ。@てんぷら山の上 Ginza 天ぷら 銀座・新橋・有楽町 10000円〜29999円 ★★★☆☆ 銀座SIXの最上階。新しい商業施設の中で、変わらぬ技と品格を湛えるのが『てんぷら山の上 Ginza』。 そのルーツは1954年、東京・御茶ノ水の「山の上ホテル」にまで遡る。日本で初めてホテル内に天ぷら専門店を設けた草分けであり、文豪や文化人にも親しまれた老舗中の老舗。その伝統は、銀座という現代の舞台でもしっかりと息づいている。 まずはその日のネタが目の前に並び、コースの幕が静かに開く。 「山菜のおひたし」 「鮪と鯛の昆布締め」といった前菜から始まり、揚げたてが一品ずつ提供される。天ぷらの全体的な特徴は、素材の風味を活かした軽やかな揚げ上がりにある。 「海老頭」はからりと軽やかに揚がり、香ばしいせんべいのような楽しさ。 「海老」本体はぷりっとジューシーで、衣はさくりと軽く、まさに職人技の見せどころ。 「こごみ」 「蓮根」 「タラの芽」などの山菜は、春の輪郭を一串に閉じ込めている。 「稚鮎」や 「シラウオ(大葉巻き)」 「蛤(海苔巻き)」 「雲丹(大葉巻き)」 「穴子」など魚介類も揃い、衣に加え、香りを重ねる巻きの技術が印象的。 「ブラウンマッシュルーム」や 「茄子」といった野菜も、素材の水分と甘みが見事に生かされている。 締めは「天丼」。濃いめのタレがご飯に染み入り、揚げたての具材と共にしっかりと満腹感を残す構成。天つゆも輪郭のある味わいで、インバウンドのゲストにも十分に訴求する力を持っている。 観光客の姿が目立つカウンターながら、内容は極めて堅実。老舗としての誇りを保ちつつ、商業施設の中でも違和感なく存在すること。それはつまり、普遍性を持った技術と設計があってこそ。『てんぷら山の上』という名前が、時と場所を越えて響き続けている。ご馳走様でした。 — てんぷら山の上 Ginza050-5456-1899東京都中央区銀座6-10-1 GINZA SIX 13Fhttps://tabelog.com/tokyo/A1301/A130101/13207702/