2026.05.16 昼 桑名城下に残る米菓の香り@たがねや デザート 四日市・鈴鹿・亀山 〜999円 ★★★☆☆ 桑名城下の記憶を煎餅に焼き込む老舗『たがねや』。明治五年創業、当初は「平濱」の屋号で菓子屋を営んでいたという。東海道の宿場町として栄えた桑名で生まれ、今も炭火で一枚一枚を焼き続ける仕事に、老舗の時間が宿る。香ばしさのグラデーションが、米菓という素朴な世界に奥行きを作っている。 食べ比べたのは、「たがね」と「こがね」。 「たがね」は、もち米とうるち米を混ぜた切り餅に、濃い口の溜り醤油をつけて売ったのが始まりだとか。うるち米ともち米、溜り醤油だけで勝負する看板で、より米菓らしい香ばしさが前に出る。薄焼きながら噛み応えもあり、噛むほどに米の粒感と醤油の余韻が交互に顔を出す。米と醤油と火、それだけで土地の記憶を語る一枚である。 対する「こがね」は、その名の通り黄金色に艶めく一枚。もち米とうるち米に伊勢芋と卵白を合わせ、持ち上げればわずかにしなるほどの極薄仕立て。口に入れた瞬間、パリッと乾いた音を立て、その後に思った以上に強めの醤油の輪郭が追いかけてくる。伊勢芋と卵白由来なのか、ただ薄いだけではなく、どこかふわりとした抜け感があるのがいい。 香ばしさ、薄さ、醤油の強さ老舗の手焼き煎餅に期待する味を、きちんと丁寧に形にしてくれる安心感がある。桑名土産としての説得力も十分で、気づけばもう一枚。ご馳走様でした。 — たがねや0594-22-2828三重県桑名市田町30https://tabelog.com/mie/A2402/A240203/24007606/