2026.05.12 昼 渋谷で幕を開けたスパイス劇場。@Spice Theater Shibuya AXSH カレー 渋谷・恵比寿・代官山 1000円〜2999円 ★★★☆☆ 札幌の小さな倉庫から、渋谷の大舞台へ。北海道・札幌のセントラルキッチンの一角で「倉庫カリー」として始まった物語は、五反田の間借りランチで行列を作り、2024年、SHIBUYA AXSHの開業とともに『Spice Theater Shibuya AXSH』として実店舗を構えるまでに進化した。その名の通り、コンセプトは“スパイスの劇場”。インド・ネパール出身のシェフたちによるスパイス使いに、日本の出汁文化や中華の技法を掛け合わせた、親しみやすさと少しの遊び心を持つスパイスカレーの店だ。 ここの魅力は、自分好みに仕立てられるプレートのシステムにもある。カレーは「1種盛り」「2種あいがけ」「3種あいがけ」から選べ、常時5〜6種類ほどのラインナップから好みのものを選択。さらにライスもターメリックライスかバスマティライスを選べる。今回は欲張って「3種あいがけ」を選択。白いライスを中心に、3種のカレーがぐるりと囲むビジュアルはなかなか華やかだ。 1つ目は「ダルとあおさ海苔」。豆の優しい甘みに磯の香りが重なり、和の発想が光る一品。スパイスと出汁文化の融合という店の方向性が最もわかりやすく出ている。さらりと軽い口当たりで、後味にあおさの香りがふっと残るのがいい。 2つ目は「ラムキーマ」。肉の旨味を前面に出した食べやすい仕上がりで、ラムのクセは抑えめ。スパイスの刺激で押すというより、肉味噌のような親しみやすさがあり、ライスとの相性もいい。気づけばスプーンが進む。体は正直なものだ。 そして一番のお気に入りは「無水チキン」。野菜と鶏肉の水分だけで煮込んだ濃厚系で、トマトや玉ねぎの甘み、チキンの旨味がぎゅっと詰まっている。味の密度はあるが重たさはなく、スパイスも丸く溶け込んでいるのがいい。3種の中では最も完成度を感じる着地点で、迷ったらまずこれを選びたい。 『Spice Theater Shibuya AXSH』は、本格スパイスをポップに翻訳した一軒。圧倒的な個性で記憶を塗り替えるタイプではないが、「無水チキン」の安定感と「ダルとあおさ海苔」の和の発想には少し光るものがある。クラフトビールやタンドール料理まで広げれば、夜はまた違う楽しみ方もできそうだ。気軽にスパイスの幕開けを楽しむにはちょうどいい。ご馳走様でした。 — Spice Theater Shibuya AXSH03-6805-0285東京都渋谷区渋谷2-17-1 渋谷AXSH 1Fhttps://tabelog.com/tokyo/A1303/A130301/13298508/