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2026.04.29 昼

青森の老舗がたどり着いた、ウィーン菓子@ シュトラウス

デザート

青森・東津軽・八甲田山

1000円〜2999円

★★★★☆

青森駅からほど近い新町通りに、突如としてウィーンが現れる。青森市にあるウィーン菓子の名店『シュトラウス』。その母体は1893年創業の老舗和菓子店「甘精堂本店」で、5代目社長であった故・三浦祐一氏が1987年に開いた一軒。東京の洋菓子店で経験を積んだのち、オーストリアで7年間修業し、国家公認の菓子職人最高位「コンディトア・マイスター」を取得したという経歴が、この店の背骨になっている。

外観からすでに異国情緒たっぷり。オーストリア国旗、重厚な扉、クラシカルな装飾。2階のサロンへ上がれば、シャンデリアにアンティーク調の家具、花柄のカップまで含めて、まるで時間ごとウィーンに持っていかれるような空間が広がる。青森の街中でこの世界観に出会う意外性こそが、まず大きな魅力だ。

店の看板は「ザッハートルテ」。表面を覆うチョコレートの糖衣は、フォークを入れた瞬間にわずかな抵抗を見せる。これがいい。しっとりとした生地に、濃厚なチョコレートの甘み、そこへアプリコットジャム由来の酸味がすっと差し込む。甘さ一辺倒ではなく、酸味が輪郭を作り、チョコレートのコクを最後まで重たくさせない構成。添えられた無糖の生クリームを合わせることで、味わいは一気に完成形へ。濃厚なチョコレートをクリームの乳味が受け止め、後味には軽やかさすら残る。

「ヴィーナーメランジュ」も、この空間には欠かせない相棒。ふわりとした泡立ち、ミルクの丸み、コーヒーの香ばしさが一体となり、「ザッハートルテ」の甘さをやさしく流してくれる。花柄のカップに金のスプーン、シャンデリアの灯りまで含めて、飲み物というより体験として成立している。

『シュトラウス』の魅力は、菓子そのものの完成度だけではなく、青森という土地で本場ウィーンの文化をまっすぐ受け止めているところにある。老舗和菓子店を母体に持つ職人が、異国の伝統を学び、自分の土地に根付かせた。その背景を知ると、「ザッハートルテ」の一口にも、サロンに流れる時間にも、一本の筋が通って見えてくる。旅の途中にこの扉を開けば、ケーキを食べる以上の余韻が待っているだろう。ご馳走様でした。

シュトラウス
017-722-1661
青森県青森市新町1-13-21
https://tabelog.com/aomori/A0201/A020101/2000092/

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