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2026.04.27 昼

鹿肉麻婆に白飯が止まらない!@茶虎飯店

中華料理

上田・小諸・蓼科・諏訪

1000円〜2999円

★★★★☆

八ヶ岳の麓、富士見町の商店街に赤い扉を構える中国料理店『茶虎飯店』。2016年4月創業、店主の野本聖司氏は東京の中国料理店などで研鑽を積んだのち、奥様の故郷である信州・富士見町へ移住し、この地に根を下ろした。都会的な中華の技術を持ちながら、向き合うのは長野の野菜や山菜、発酵、鹿肉といった土地の恵み。ここを一言で表すなら、八ヶ岳の町中華。赤い扉の向こうには、火力と滋味が同居する、身体に優しい中国料理が待っている。

昼のシステムは、メインを選び、そこに惣菜を組み合わせるスタイル。惣菜は1品、2品、3品と選べるようで、黒板に並ぶ名前を眺めているだけで楽しい。こしあぶらやこごみなど、山菜の名前が混じるあたりが、いかにも長野らしい。メインの前に、すでに食欲のスイッチがしっかり入る。

「もやしとこしあぶらの炒め物」は、もやしの瑞々しい食感にこしあぶらの青い香りとほろ苦さが重なり、春の山の余韻を残す一品。

「春キャベツとこごみ 発酵トマト炒め」は、キャベツの甘味、こごみの青さ、発酵トマトの酸味が絡み、中華鍋の中に山里の滋味を映し出す。

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そしてお気に入りは「麻辣煮干しと泡菜」。煮干しの香ばしさとほろ苦さに、泡菜の酸と発酵香、唐辛子と山椒の刺激が重なり、白飯の上にのせれば、それだけで昼食として成立してしまいそう。メインの前に満足してしまいそうになる、危険な惣菜達である。

そしてメインの「麻婆豆腐」。この店らしさを決定づけるのは、挽き肉に使われる鹿肉の存在だ。赤黒いソースに豆腐が沈み、花椒の香りがふわりと立ち上がる。ひと口目から豆豉のコクと鹿肉の野性味ある旨味が重なり、そこへ辣油の辛味、山椒の痺れがじんわり追いかけてくる。豚肉の甘い脂で押す麻婆とは違い、鹿肉ならではの引き締まった旨味が全体をシャープにまとめる。刺激で押し切るのではなく、山の気配をまとった旨味の層で食べさせる麻婆。

白飯との相性は言うまでもない。惣菜でご飯が進み、麻婆でさらに進む。これはもう、米にとっての受難の日である。

『茶虎飯店』の料理には、東京で磨いた中国料理の技術と、信州・富士見町の食材へのまなざしが同居している。火入れは中華、香りは山、後味は発酵。鹿肉や山菜を“珍しい食材”として見せるのではなく、日々の食事として自然に皿へ落とし込む。その姿勢がいい。メインと惣菜を選ぶ楽しさ、山菜の季節感、白飯が進む滋味深い味わい。富士見町の小さな商店街に、身体にすっと馴染む中国料理の確かな魅力がある。ご馳走様でした。

茶虎飯店
080-4343-6769
長野県諏訪郡富士見町落合10007-9
https://tabelog.com/nagano/A2004/A200405/20023093/

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