2026.04.25 昼 諏訪湖で出会う、金銀二色の鰻重@鰻 小林 鰻 上田・小諸・蓼科・諏訪 5000円〜9999円 ★★★☆☆ 諏訪湖エリアで鰻を食べるなら、名前が挙がる一軒が『鰻 小林』。諏訪湖は天竜川の源流にあたり、古くから川魚や鰻の食文化が根付いてきた土地。そんな背景を持つこの地で創業四十余年、地元客にも観光客にも親しまれてきた鰻料理店だ。堂々とした数寄屋風の建物に少し背筋が伸びるが、提供される料理は実に分かりやすく、その入り口は広い。 この店の代名詞は、やはり「金銀鰻重」。蒲焼きの“金”と白焼きの“銀”を一つのお重に収めた看板メニューで、鰻好きにとって悩ましい二択を一度に解決してくれるありがたい存在だ。 艶やかな「蒲焼き」は、甘辛いタレと香ばしさが白米へ一直線に向かう王道の味。一方の「白焼き」は、タレに頼らないぶん鰻の脂の甘みや身の柔らかさが素直に伝わる。関東風らしくふっくらとした仕上がりで、金は米を進ませ、銀は鰻そのものを味わわせる。この対比こそが、名前以上に楽しい。 後半は「ひつまぶし」スタイルで味変を。薬味には葱、海苔、山葵に加えて、柚子胡椒が用意されるのが面白い。 山葵は白焼きの輪郭をきりりと締め、柚子胡椒は脂の甘みに柑橘の香りと辛味を重ねて後味を軽くする。そこへ出汁を注げば、「出汁茶漬け」として別の料理に変わる。蒲焼きのタレが出汁に溶け込み、海苔の香りがふわりと立ち、鰻の香ばしさが余韻に残る。満腹に近いはずなのに、するすると入っていく。 蒲焼きと白焼きを一度に楽しませる「金銀鰻重」の分かりやすさは、やはり強い。諏訪湖の食文化を背景に、王道の鰻重から味変、出汁茶漬けまで気持ちよく走り切る一膳。旅の途中で食べる鰻として、きちんと記憶に残る一軒だ。ご馳走様でした。 — 鰻 小林0266-54-7717長野県諏訪市四賀赤沼1958-2https://tabelog.com/nagano/A2004/A200404/20001043/