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2026.04.16 昼

古民家に宿る、レジェンドの現在地@古民家ヌードゥル 黒揚羽森住

ラーメン・つけめん

銚子・九十九里

1000円〜2999円

★★★★☆

千葉・大網白里の穏やかな景色の中にある『古民家ヌードゥル 黒揚羽森住』。築100年超の古民家を改装した空間は、ラーメン屋というより、時間を味わうための舞台みたいだ。手がけるのは森住康二氏。

フレンチで10年腕を磨き、1996年に「柳麺ちゃぶ屋」を創業、香港ではラーメン店として世界初のミシュラン一つ星にもたどり着いたレジェンドである。その人がいま、この自然豊かな土地で一杯を差し出している。待ち時間をカフェで過ごせる余白まで含めて、ここにはせかせか食べさせない美学がある。

この日の一杯は「醤油らぁ麺」。黒い八角の丼に澄んだ琥珀色のスープ、大判のチャーシュー、白髪ねぎ、筍という構成で、見た目からして端正だ。

ひと口すすれば、まず来るのは出汁の透明感。醤油は前に出過ぎず、輪郭だけをすっと描き、表面の油が香りをふわりと運ぶ。強さで押すのではなく、旨味をきれいに積み上げていく設計で、雑味のない味わいに森住氏のキャリアがにじむ。飲み進めるほどに醤油の香ばしさと出汁の奥行きが重なり、気づけばレンゲが止まらない。

麺はしなやかな細麺で、啜り心地が実に滑らか。スープを過不足なく持ち上げ、口の中で旨味をきちんとつなぐ。「チャーシュー」は大判で、脂の甘みを持ちながらも重たくならず、スープに肉の丸みを加える存在。「筍」は食感のアクセントとして優秀で、白髪ねぎが後味を引き締める。この「醤油らぁ麺」は王道の顔をしているが、ただの王道ではない。長いキャリアの先でたどり着いた、整理された美味しさがある。

合わせた「水餃子」も良かった。つるりとした皮のなめらかさと、餡のやさしい旨味が印象的で、ラーメンの澄んだ輪郭を邪魔せずに寄り添う。派手に主張するわけじゃないが、こういう脇役までちゃんと整っているあたりに、この店の地力が見える。

長いキャリアの果てにたどり着いた一杯には、やっぱり説得力がある。古民家の静かな空気の中で向き合うことで、『古民家ヌードゥル 黒揚羽森住』の「醤油らぁ麺」は、その輪郭をいっそう鮮明にする。派手に驚かせるのでなく、空間ごと静かに唸らせるタイプのラーメンだ。だからこそ記憶に残る。大網白里まで来る意味が、ちゃんとある。ご馳走様でした。

古民家ヌードゥル 黒揚羽森住
080-6652-1996
千葉県大網白里市北横川175-1
https://tabelog.com/chiba/A1205/A120503/12059148/

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