2026.04.14 昼 エビフライを比較する、ちょっと珍しい体験。@TOKYO エビフライ 居酒屋・定食 新宿・代々木・大久保 1000円〜2999円 ★★★☆☆ 代々木駅の目の前にある『TOKYO エビフライ』。エビフライを一皿の料理としてではなく、海老という素材の違いそのものを食べ比べさせるための専門店だ。世界中や国内各地の海老を集め、種類ごとに揚げ分けるという発想はなかなか面白い。エビフライと聞けば、どこか一種類の定番料理を思い浮かべがちだが、ここではむしろ比較することが主題になる。専門店らしいわかりやすさがあって、入口としても掴みは悪くない。 注文したのは「エビフライ4種盛」。 プリッとした弾力で魅せる有頭、旨味をしっとりと残した有頭、衣の内側に半生の質感を潜ませた希少国産の一本、そして身をぎっしり詰め込んだ海老カツ。この一皿が、そのまま店のプレゼンテーションになっている。最初の一本は噛んだ瞬間に身が跳ね返すような食感があって、香りと甘みも素直だ。 次の一本は火を入れているのに水分をきちんと抱え、同じ有頭でも印象を大きく変えてくる。希少国産の一本は、この店の工夫がいちばん伝わる。衣はちゃんとフライなのに、中は生の質感を残していて、そのギャップが面白い。エビフライなのに刺身の記憶がちらつく感じで、これは他ではなかなか出会わない。海老カツは、フライが線で個性を描くのに対し、面で旨味を押してくるような存在。咀嚼するほどに密度が伝わってくる。 そこから紐解くと、この店の価値は単純な豪華さではなく、海老という食材をどう揚げればどんな個性が立ち上がるのか、その差分を見せることにある。食感の違いはもちろん、甘みの出方、旨味の残り方、余韻の質まで少しずつ変わってくる。揚げ物なのに一口ごとに着地点が違うから、単調になりにくい。思わずご飯を進めながら、次はどんな顔を見せるのかと箸が伸びる。 さらに面白いのは、主役の皿だけで終わらせないことだ。「海老のビスクソース」もそうだし、お通しまで海老で寄せてくる。調味料も含めて、最初から最後まで海老を軸に世界観を揃えている。全部を海老にするという振り切り方には、専門店としての意思がある。 海老好きなら一度試して損はない。エビフライという親しみある料理に、まだこんな見せ方があったのかと思わせてくれる一軒だ。ご馳走様でした。 — TOKYO エビフライ050-5597-5021東京都渋谷区代々木1-32-11 代々木ラックビル 2Fhttps://tabelog.com/tokyo/A1304/A130403/13306340/