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2026.04.09 昼

行列の先にある「肉吸い」と「だし巻き」@一富士食堂

居酒屋・定食

大阪市

1000円〜2999円

★★★★☆

大阪・天満で行列の先にある『一富士食堂』。昭和34年創業の老舗だが、ここで支持され続ける理由はわかりやすい。食堂らしい気軽さのまま、出汁で客の胃袋を掴んでくるからだ。開店前から人が集まり、暖簾が上がる頃には期待がしっかり膨らんでいる。目当てはみんなだいたいこれ。「肉吸い定食」に「だし巻き」、この黄金セットである。

「肉吸い」は、ひと口目から出汁の力が前に出る。鰹と昆布の旨味がしっかり効いていて、牛肉のコク、豆腐のやさしさ、玉子のまろみがそこに重なる。見た目は実に素朴なのに、ご飯のおかずとして成立しているのが面白い。汁をすすって、米をかきこみ、また汁に戻る。この往復運動がやたらと強い。

そこに「だし巻き」を足すと、店の輪郭がさらにくっきりする。ふるっとやわらかく、箸を入れた瞬間に出汁の気配がにじむ。玉子の甘みを主役にするのではなく、出汁の旨味で食わせるタイプで、「肉吸い」と並べても役割がかぶらない。むしろ、同じ店の持ち味が別の形になって現れている印象だ。醤油や一味で手を加えることもできるが、これはそのままがベスト。ほとんどの客がこの組み合わせを選ぶのも、ちゃんと理由がある。

一富士食堂の魅力は、名物感を振りかざさないところにもある。大阪名物の「肉吸い」を、観光用の一杯ではなく、毎日でも食べたくなる食堂の味に着地させている。だから食後に残るのは感動の大きさより、またこの出汁を飲みたいという欲望。こういう店は強い。天満で腹を満たすなら、まずここを思い出してしまうはずだ。ご馳走様でした。

一富士食堂
06-6351-1259
大阪府大阪市北区天満2-13-16
https://tabelog.com/osaka/A2701/A270103/27031421/

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