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2026.04.08 夜

何度通っても、またやられる@グシテ

イタリアン・ピザ

大阪市

10000円〜29999円

★★★★★

天満橋のカウンターにある『グシテ』。イタリアの郷土料理を軸にしながら、日本の季節を皿の上で生き生きと立ち上がらせる一軒だ。土地の料理への敬意は深いのに、再現だけで終わらせない。郷土料理の骨格を借りながら、その日の食材、その季節の空気、その瞬間の食欲にまでちゃんと着地させる。この店の魅力は、知識や技術の深さがそのまま食欲に変換されていることにある。

一品目の「苺とモッツァレラ」から、もう気持ちを持っていかれる。苺の甘酸っぱさはみずみずしく、モッツァレラのミルキーなコクはやわらかい。果実の軽やかさとチーズの丸みがきれいに溶け合い、春の入口を舌で知るような一皿になっている。見た目は可憐なのに、食べるときっちり記憶に残る。こういう始まり方をされると、今日はもうやられるなとわかる。

続く定番の「鯖のブルスケッタ」も実にいい。鯖の脂の艶、パンの香ばしさ、そこに重なる青いニュアンス。それぞれの要素ははっきりしているのに、口の中ではちゃんとひとつの旨さにまとまっていく。魚の力強さを感じさせながら、後味は重くならない。この店らしいバランス感覚がよく出ている。

「バスク豚とトンナートソース」は、この日は焼きたてで出会えたのがうれしい。しっとり、ねっとりとした肉質がいつもとまた違う。豚の脂がゆっくりほどけ、噛むほどに旨味がにじむ。そこへトンナートソースのコクと塩気が重なることで、豚の甘さがさらに前へ出る。力強いのに粗くない。見慣れた一皿でも、こうして表情を変えてくるから面白い。

ここの日の衝撃は、やはり「極太アスパラ」だ。太いのに大味とは無縁で、噛めば水分が弾け、甘みが広がり、ほろ苦さがきれいに締める。卵のコクがその力強さをさらに引き立てる。そして同じ皿の木下牛のレバーもいい。香りの強さを持つ食材だが、玉ねぎがそれをいい意味で受け止め、旨味へと変えていく。ベネチアの郷土料理を下敷きにした一皿らしいが、その背景にもきちんと納得がいく。以前にハラミでも食運の強さを感じたが、今回はレバーでまた射抜かれた。食運、持ってるな見冨右衛門。

「平鱸」は芹、金柑、トマトを合わせた爽やかな仕立て。白身の澄んだ旨味に、香りと酸が重なって、後味まで清々しい。

「太刀魚」は菊芋、マッシュルーム、網脂を使った構成で、淡い魚に土っぽさと脂のコクをまとわせる発想が見事。

「木下牧場の牛すねとブランダード」は、牛の力強さとブランダードのなめらかさの対比が秀逸で、じんわりと印象を残していく。

「リブロース」も火入れが抜群で、赤身の密度と脂の香りがまっすぐ届く。

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「蕗の薹と蛍烏賊のタヤリン」は、春の苦みと海の旨味が細麺に絡み、この店の定番に季節を流し込んだような一皿だった。

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『グシテ』の料理は、イタリアの郷土性と日本の旬、その両方をきっちり食欲へ変えてくる。理屈っぽさはなく、でも背景には確かな思想がある。だからこそ、一皿ごとにちゃんと驚きがあり、ちゃんと食べたい気持ちが加速していく。アスパラで驚き、レバーで価値観を揺さぶられ、タヤリンで春を連れ帰る。何度通っても、まだこうして新しく感動させてくる。完全にやられた。ご馳走様でした。

グシテ
06-6809-7376
大阪府大阪市北区天満2-7-1 末澤ビル 1F
https://tabelog.com/osaka/A2701/A270104/27093817/

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