2026.04.04 夜 会員制の扉の先にある、レアな焼鳥の世界@炭焼 ちきんかばぶ 焼鳥・焼きとん 名古屋市 10000円〜29999円 ★★★☆☆ 名古屋・栄の路地の地下に潜む『炭焼 ちきんかばぶ』。 2009年9月9日からこの地で、鶏と向き合い続けてきた一軒だ。暗証番号の扉を開けるという導入が、これから始まる一夜への期待値をじわりと引き上げてくる。主役は純系名古屋コーチン。その魅力を最大限に引き出すための手段として、この店が選んだのが「レア」という明確な方向性である。 火入れは一貫して浅い。表面には炭の焼き目をつけながらも、内部は赤みや水分をしっかり残す仕上がり。最初の「つくね」は中心部にレア感を残した状態で提供され、卵黄を絡めることで濃厚なコクを加える設計。 「とりわさ」なども、その鮮度への自信を前提に成立する一皿であり、火入れの考え方と素材への自信を別角度から裏付けている。 「もも」は赤味噌で名古屋らしさを纏わせた一串。 「身皮」は脂の甘さが前面に出る。 「砂肝」は独特の食感を残しつつも内部はしっとり。 「レバー」は滑らかで甘みが際立つ。 「ささみの梅肉醤油」は酸味が輪郭を整える。 「手羽先」は皮目の香ばしさが印象的。 「むね肉とアボカド」はサラダ仕立てで軽やかにまとめる。 「せせり」は脂の旨味が強く、 「はつの生姜醤油」はレア感が際立ち、この店ならではの体験に繋がる。 「ぼんじり」はジューシーさが際立ち、 「とりめし」は出汁と脂を吸った米で締めに相応しい。 ちなみに、酒もまた、この店の個性を語る要素のひとつ。白州ハイボールとチェイサーのウーロン茶、そのどちらも驚くほど大ぶりなグラスで提供される。おそらくワンオペゆえ、提供回数を減らすための合理的な設計だろうが、その豪快さが結果的にこの店のリズムを形作っている。繊細な火入れの串と、無骨なサイズの酒。このコントラストが妙に心地いい。 焼鳥という枠組みの中で、ここまで明確に火入れの方向性を打ち出した店は多くない。純系名古屋コーチンという素材と、その扱い方に対する思想と自信。その両輪が揃って初めて成立する世界観だろう。さらに会員制という仕組みが、その体験に一層の没入感を与えている。ご馳走様でした。 — 炭焼 ちきんかばぶ050-5456-5623愛知県名古屋市中区栄4丁目16-8 栄メンバーズオフィスビル B1https://tabelog.com/aichi/A2301/A230103/23032616/