2026.04.03 夜 カウンター越しに楽しむ広東中華@中国菜 漢 中華料理 築地・湾岸・お台場 10000円〜29999円 ★★★★☆ 新川の路地裏、2022年にこの地でスタートした『中国菜 漢』。広東料理を軸に据えた一軒で、カウンター越しに流れる調理のリズムが印象に残る。鍋を振る音、立ち上る香り、料理が仕上がっていくテンポ。その一連の流れが自然と食欲を引き上げてくる。店名の「漢」は、店主・藤井“寛”の「寛」と響きを重ねつつ、三国志における「漢」の時代への眼差しも重なるネーミングだろう。個と歴史、その両方を背負うシンプルで芯のある屋号だ。 焼き物の「窯焼きチャーシュー」は、この店の方向性を象徴する一皿。平田牧場の豚を使い、表面は香ばしく、中はしっとりとした質感。黒糖やシナモンの甘やかなニュアンスが重なり、広東らしい甘口の輪郭を立体的に描く。クリスピーな豚バラにマスタードや桃を合わせる構成も、味の展開に奥行きを与える。 前菜の流れも心地いい。「クラゲとミル貝の和え物」は最高級のクラゲの食感に、ネギ生姜ダレと橙の爽やかさが重なり、磯の香りを軽やかに引き上げる。 「冷菜盛り合わせ」では、「バンバンジー」のしっとり感に練り胡麻と山椒の風味、「天然真鯛の香港風」はピーナッツオイルとナンプラーで輪郭を描き、それぞれが短いタッチで印象を残す。 温菜では「春巻き」が面白い。新玉ねぎや蕗の薹、小鳩をライスペーパーで包み、シナモンやローリエの香りがふわりと抜ける。 「鰆の蒸し物」はニンニクを重ねて香りの層を構築し、 「上湯スープ」は金華ハムや乾物の旨味が凝縮。 「蛤の炒めもの」はレアな仕上げで、蒸して引き出した出汁を活かし、スナップエンドウやアスパラ、菜の花と合わせて仕上げる。腐乳のソースはコクと塩気があり、全体をしっかりとまとめ上げる。 「桜海老と春キャベツの炒飯」はしっとりと香ばしさが同居する仕上がり。 全体を通して、味の輪郭が明快で、香りの抜け方まで意識された構成。それでいて価格帯を考えると満足度は高く、コースとしての完成度とコストのバランスがしっかり取れている。広東料理をベースにしながら、軽やかなアレンジで楽しませてくれる一軒。カウンター越しのリズムとともに、その一皿一皿を味わいたい。ご馳走様でした。 — 中国菜 漢03-6435-4850東京都中央区新川2-18-4 八重洲マンション 1Fhttps://tabelog.com/tokyo/A1302/A130203/13267453/