2026.03.27 昼 伝統をなぞり、洗練で仕上げる家系@麺家 龍 ラーメン・つけめん 中野~西荻窪 1000円〜2999円 ★★★★☆ 荻窪のラーメン戦線、その一角に構える『麺家 龍』。家系という巨大な文脈にありながら、どこか輪郭の整った一杯を出してくる店だ。店主・岡本氏は「武道家」で15年以上の修行を積み、若くして店長を務めた実力派。その後も「輝道家」で研鑽を重ね、2022年にこの場所で再出発。その歩みが、そのまま丼の中に表れている。 注文は「得ラーメン」。いわゆる全部入り。 スープは豚骨の旨味を芯に据えながら、口当たりは驚くほど滑らか。濃度はしっかりあるのに重たさに寄らず、乳化のバランスがしっかり整っている。醤油のエッジも丸く、飲み進めるほどに輪郭が立ち上がる設計だ。 そこに酒井製麺の中太麺。モチっとした弾力がスープをしっかりと纏い、啜るたびに一体感が増していく。 海苔、ほうれん草、白髪ねぎという家系の王道構成。そこに燻製香をまとったチャーシューがじわじわとスープへ影響を与え、後半にかけて味の厚みが増していく。序盤は整い、中盤から後半にかけて旨味が層になる。 そして面白いのが、ご飯食べ放題というメニュー。思わず手を伸ばしたくなる装置で、20年前の自分なら迷わずボタンを押していただろうが、この日はあえて「並ライス」にとどめる。それでも家系において白飯は不可欠。スープを吸わせた海苔で巻き、ほうれん草を添え、そこに豆板醤をひと差し。この豆板醤の塩気と辛味が加わることで、豚骨のコクが一段と立ち上がる。 岡本氏のキャリアが示すのは、家系の型を守りながらどこまで精度を高められるかという問い。その答えが、この過不足のない濃厚さにある。突出した強さではなく、全体の設計で食べ切らせる一杯。荻窪で家系を選ぶ理由として、しっかり成立している一軒だ。ご馳走様でした。 — 麺家 龍東京都杉並区荻窪4-32-8 パインマンション荻窪 1Fhttps://tabelog.com/tokyo/A1319/A131906/13278090/