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2026.03.21 昼

食べ歩きで辿る、日光の起源@補陀洛本舗 石屋町店

デザート

日光・鬼怒川

〜999円

★★★★☆

日光の歴史を背負う門前町に暖簾を掲げる『補陀洛本舗 石屋町店』。店名の「補陀洛」とは、観音菩薩の浄土“補陀洛山”を意味する仏教用語だが、ここ日光においては少し違う文脈を持つ。店内に掲げられた説明によれば、およそ1200年前、勝道上人が男体山を補陀洛山と命名したことに始まり、その後、弘法大師によって二荒山へと転化、さらに音読みで「日光山」と改められたという。つまりこの地において「補陀洛」は、日光のはじまりそのものを指す言葉でもあるのだ。

そんな思想の上に成り立つこの店が提案するのは、決して重たい宗教性ではなく、それを日常へと溶かし込む軽やかな一手。その象徴が「ゆばむすび」だ。日光名物の湯波を使い、観光客の動線に自然と馴染む形で提示する。

「ゆばむすび」
湯波でふわりと包まれたご飯は、見た目からして柔らかな印象。ひと口かじれば、まず広がるのは大豆の穏やかな甘みとコク。その後に中の具材の旨味がじんわりと追いかけてくる。味の立ち上がりは静かだが、噛むほどに輪郭が現れる設計がいい。湯波のしっとり感と、ご飯のほろりとした崩れ方のコントラストも心地いい。

補陀洛という言葉の重みを背負いながらも、それを肩肘張らずに味わわせてくる距離感がいい。観光地の軽食として成立しつつ、ちゃんと日光の文脈に触れさせてくれる一手。ふらっと手に取った一個が、その土地の理解を少しだけ深めてくれる。こういう出会いは、やっぱり旅の醍醐味だ。ご馳走様でした。

補陀洛本舗 石屋町店
0288-53-4623
栃木県日光市石屋町406-4
https://tabelog.com/tochigi/A0903/A090301/9011706/

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