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2026.03.21 昼

日光の食べ歩きはここから@さかえや

デザート

日光・鬼怒川

〜999円

★★★★☆

日光駅前という旅の起点に店を構える『さかえや』。創業は昭和33年(1958年)、60年以上にわたり日光土産と向き合ってきた老舗だ。もともとは土産物屋として日光の名産と向き合ってきたが、2000年頃に誕生した「揚げゆばまんじゅう」によって、その存在は一気に“食べ歩きの主役”へと躍り出る。

そもそも日光と湯葉の関係は深い。山岳信仰の地として発展したこの地では精進料理の文化が根付き、動物性食材の代替として大豆加工品が重宝されてきた。その中で湯葉は栄養価と保存性を兼ね備えた重要な食材であり、土地の食文化を象徴する存在でもある。『さかえや』の「揚げゆばまんじゅう」も、この文脈の延長線上にある一品だ。

目の前で手渡されるそれは、ふっくらとした黄金色。湯葉を練り込んだ生地を揚げることで、外側はサクッと軽やかに仕上がり、かじればその食感が小気味よく響く。続いてもっちりとした生地、そして中の餡の甘みがじんわり広がる。餡はねっとりとコクのある甘さで、油の香ばしさと真正面からぶつかり合うが、不思議と重たさには転ばない。揚げたてゆえに餡までほんのり温かく、その一体感が心地いい。湯葉由来のやわらかな大豆の風味が後味を整え、さらに表面にほんのり効かせた塩気が全体を引き締める。この甘さ、油、塩、そして温度の設計が実に巧みだ。

長年の菓子作りの蓄積と、観光地という環境への適応。その両方を理解しているからこそ生まれた一品だろう。守るべきものと変えるべきもの、そのバランス感覚こそがこの店の強さだ。日光という土地の歴史を背負いながら、今の観光客の体験にもフィットさせる。その象徴が「揚げゆばまんじゅう」にある。ご馳走様でした。

さかえや
0288-54-1528
栃木県日光市松原町10-1
https://tabelog.com/tochigi/A0903/A090301/9003450/

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