2026.03.20 夜 道玄坂地下で出会う、ひびき監修の一枚@渋谷 とんかつ げんかつ とんかつ・揚げ物 渋谷・恵比寿・代官山 1000円〜2999円 ★★★★☆ 渋谷・道玄坂の雑踏、その地下に店を構える『渋谷 とんかつ げんかつ』。2024年創業。“ひびき監修”という看板を掲げ、あの店が培ってきた火入れや素材への向き合い方をベースに据えた一軒だ。渋谷という街の流れの中に位置づけられた、とんかつ店である。 ひびきと共通の象徴的な“白いとんかつ”も、その延長線上にある表現。低温調理と低温揚げによって、衣は色づききらず淡い白に仕上がるが、これは見た目のための演出ではない。中心にほんのりピンクを残すことで、林SPFポークの水分と脂を逃さず、肉本来のしっとりとした質感を最大限に引き出すための設計。揚げるという工程の中で、いかに火入れをコントロールするか。その思想はしっかりとひびきの文脈にある。 「特上ヒレカツ」は、その技術の精度を最も感じやすい一皿。厚みのあるカットに対して、衣は軽やかに崩れ、すぐに柔らかな肉質へと繋がる。ヒレの持つ繊細さを損なわず、それでいて旨味の密度はしっかりと保たれている。後味に油が残らず、すっと引いていく余韻も含めて、火入れのバランスの良さが際立つ。 卓上の調味料も、この系譜らしい楽しみ方を広げる要素。塩で肉の輪郭を際立たせ、わさび醤油で脂の甘みを引き締め、ソースでコクを重ねる。ベースが整っているからこそ、どの選択肢も成立するし、自分なりの一口を組み立てられる余白がある。個人的にはブラックソルトのキレと、にんにく味噌の厚み、この対比が印象に残った。 ひびき監修のもと、火入れや素材の扱いをベースにしたとんかつ。「特上ヒレカツ」にもその特徴がしっかり表れており、道玄坂の地下でその味を楽しめる一軒だ。ご馳走様です。 — 渋谷 とんかつ げんかつ03-6712-7687東京都渋谷区道玄坂2-6-2 美奈津ビル B1Fhttps://tabelog.com/tokyo/A1303/A130301/13257081/