2026.03.11 夜 白金の住宅街に潜む実力派の鮨@鮨 まつうら 寿司 目黒・白金・五反田 30000円〜49999円 ★★★★☆ 白金の閑静な住宅街に暖簾を掲げる『鮨 まつうら』。2019年に独立した店主が営むカウンター鮨で、落ち着いた空気の中で丁寧な仕事を積み重ねていく一軒だ。白木のカウンター、控えめな照明、静かな所作。ここで供されるのは、素材の良さと仕事の積み重ねで組み立てる鮨コース。華やかな演出よりも、魚と向き合う実直なスタイルが印象に残る。 まずは挨拶代わりの一貫、「本鮪」。沼津の釣り物を使った鮪で、粗めに叩いたネギトロ仕立て。脂の甘みと赤身の旨味が混ざり合い、口の中でふわりとほどける。コースの幕開けとして鮪の存在感をしっかり印象づける一皿だ。 つまみもバリエーション豊富。富山湾内の「ホタルイカ」は丸々と太った身に濃厚なワタのコク。 「つちほぜり」は鹿児島から届く珍しい魚で、白身らしい上品な脂と弾力が魅力。 「金目鯛しゃぶしゃぶ」は銚子のものをさっと火入れし、脂の甘みが一気に立ち上がる。 富津の「蛸」は驚くほど柔らかく、舌の上でほどけるような食感。噛むほどに甘みがじんわり広がる。 そしてつまみの山場は「鮟肝」。余市の貴醸酒と合わせて供される一皿で、濃厚なコクと酒の甘い余韻が重なり合う。鮟肝、干瓢、そして貴醸酒。この組み合わせがつまみのクライマックスを作る。 続く「銀宝西京焼き」は脂の甘さと味噌の香ばしさが重なり、コースの流れを整える役割。 握りのシャリはやや大きめ。粒感をしっかり残した炊き上がりで、米の輪郭が明確に感じられるタイプ。ネタと一体化するというより、米と魚が並走するような構成で、それぞれの存在感を楽しませる設計だ。 握りはこの流れ。「アオリイカ」 「本アラ昆布締め」 「中トロ(三宅島)」 「大トロ」 「小肌(天草)」 「鯵(鹿児島)」 「鳥貝(室津)」 「平貝(愛知)」 「蛤」 「車海老」 「雲丹(浜中)」 途中には「鯛の酒盗」や 「虎河豚白子」といった濃厚なつまみも挟まれ、 「新物しらす × からすみ」では春の香りを感じさせる軽やかな一皿も登場する。 締めは「玉子」、 そして「黒糖アイス」。この黒糖アイスには貴醸酒を合わせる。バニラアイスに貴腐ワインを合わせるような感覚の、いわば和のデザートペアリング。コクのある甘みと酒のニュアンスが重なり、コースの余韻をゆったりと閉じていく。 白金の住宅街に溶け込む『鮨 まつうら』。丁寧な仕事と素材の幅でコースを組み立てる実直な鮨屋だが、その評判はすでに広まり、年内の予約はすべて埋まっているという。静かな住宅街の一角で、この一貫一貫に向き合える席はごくわずか。今やその一席を巡る競争率もかなり高い。白金で静かに実力を積み重ねてきた鮨屋が、いよいよ多くの食通の視線を集めている。ご馳走様でした — 鮨 まつうら050-5456-2029東京都港区白金5-7-8 ウイング綱島 1Fhttps://tabelog.com/tokyo/A1316/A131602/13239788/