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2026.03.11 昼

カレーの辛さに、選択肢を与えた店。@ボルツ 神田店

カレー

秋葉原・神田・水道橋

〜999円

★★★☆☆

神田の街に今も残る老舗カレーショップ『ボルツ 神田店』。その歴史は1974年、原宿で誕生したカレー専門店「ボルツ」に始まる。最盛期には全国に50店舗以上を展開したというから、当時の勢いは相当なものだったはずだ。いま都内でその名を掲げるのはこの神田店のみ。静かに灯を守る最後の一軒と言っていい。

この店を語るうえで外せないのが「辛さを選ぶ文化」。いまではカレー店で辛さを段階的に選ぶのは当たり前の仕組みだが、その源流のひとつがボルツにあると言われている。辛さを細かく調整し、食べ手の好みに合わせるという発想。シンプルだが、1970年代のカレー文化の中では新鮮だったのだろう。

注文したのは「チキンと玉子(茹で)」の2倍ホット。

玉葱をたっぷり溶け込ませたルーは、さらりとした流れの中に野菜の繊維が残る質感。ひと口目は玉葱の甘味がじんわり広がり、そのあとをスパイスの辛味がゆっくり追いかけてくる。2倍ホットは舌に軽い刺激を残す程度で、辛さが主役というよりは甘味とコクを引き締める役割。具材の「チキン」は食感があり、主役としての存在感を見せる。そして「玉子」。黄身のコクがルーに少しずつ溶け込み、玉葱の甘味とスパイスの刺激の間にまろやかさを差し込んでくる。

最盛期には全国へ広がったボルツのカレーも、いま東京で味わえるのはこの神田店のみ。いまでは当たり前になった「辛さを選ぶ」という仕組み。その文化の源流のひとつが、この店にある。もしボルツが存在しなかったら、いま街で見かけるあのカレー屋も、そのカレー屋も、少し違う景色になっていたかもしれない。カレー文化の原点のひとつ。そう思えば、この一皿の見え方も少し変わってくる。

ご馳走様でした。

ボルツ 神田店
03-3233-3067
東京都千代田区神田錦町3-17
https://tabelog.com/tokyo/A1310/A131003/13011142/

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