2026.03.10 昼 郊外の蕎麦屋が生んだ、分厚すぎる名物カツ丼@大島屋 居酒屋・定食 千葉 1000円〜2999円 ★★★☆☆ 千葉市花見川区ののどかな住宅地、三角町。都会の喧騒から少し距離を置いた場所に、静かに暖簾を掲げる一軒がある。『大島屋』。 一見すれば、どこにでもありそうな町の蕎麦屋の佇まい。だが、その暖簾の奥に潜んでいるのは、全国のカツ丼好きがわざわざ足を運ぶほどの存在感を放つ一杯だ。もともとは蕎麦屋として営まれてきた店だが、今やこの店を語るうえで欠かせないのは「カツ丼」。なぜこの一杯が人を惹きつけるのか、その理由を紐解いていこう。 主役はもちろん「上カツ丼」。丼が目の前に置かれた瞬間、まず視界に飛び込んでくるのはカツの厚みだ。一般的なカツ丼のそれとは明らかに次元が違う。箸で持ち上げようとすると、思わず「重っ」と声が漏れそうになるほどのボリューム。使用される豚は日によって銘柄が変わることもあり、県内の銘柄豚を使うことも多いそうだが、この日は熊本の名品「天草ポーク」。きめ細かい肉質のロースを豪快に厚切りにし、噛み締めるたびに肉の旨味と脂のコクが広がっていく。 衣は揚げたてのサクッとした食感をわずかに残しながら、蕎麦屋仕込みの割り下をたっぷり吸い込んでいる。この割り下が実にいい。鰹出汁の旨味をしっかり効かせたやや甘めの味付けで、カツの香ばしさと肉の力強い味わいを受け止めながら、じゅわっとご飯へと染み込んでいく。そこに重なる卵もまた存在感がある。ふわりと広がるだけではなく、しっかりと厚みを感じさせる仕立てで、出汁と一体になったまろやかなコクが丼全体を包み込む。甘辛い割り下、卵のコク、そして分厚いカツの旨味。それぞれが白米と結びつき、気づけば箸が止まらなくなる。 蕎麦屋として積み重ねてきた出汁の技術と、豪快な厚切りの豚肉。その二つが交差したとき、町の蕎麦屋は“カツ丼を目当てに人が集まる店”へと姿を変えたのだろう。千葉の郊外という立地でありながら、わざわざ足を運ぶ人が後を絶たない理由は、この一杯の説得力を前にすればすぐに理解できる。カツ丼好きなら一度は体験しておきたい、迫力満点の一杯だ。ご馳走様でした。 — 大島屋043-250-1631千葉県千葉市花見川区三角町463-13-21https://tabelog.com/chiba/A1201/A120104/12010682/