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2026.03.05 昼

酒肴から蕎麦へ、心地よい導線。@蕎麦割烹 ながの

そば

両国・錦糸町・小岩

1000円〜2999円

★★★★☆

東京・東向島。下町の住宅街に静かに暖簾を掲げる『蕎麦割烹 ながの』。2024年に誕生した一軒で、和食の技術と蕎麦の世界を一つの流れの中にまとめた店だ。店主の永野氏は、日本料理の世界で約20年研鑽を積み、その後に蕎麦の名店で腕を磨いた料理人。和食の引き出しと蕎麦職人としての感覚、その二つを土台に据えた料理がこの店の軸になっている。酒肴を楽しみ、その延長線上に蕎麦があるという設計だ。

ちなみにランチでは、この店の名物でもある「前菜8点盛り」が最初からセットに組み込まれている。つまりこの店の食事は、まずこの一皿から始まる。

「前菜8点盛り」
「運ばれてきた瞬間、目を引く美しい一皿。大きな皿の上に整然と並ぶ小皿たちは、季節の景色そのもの。白菜と釜揚げしらすのお浸し、菜の花と蛤の酒蒸し、白魚、青海苔と長芋の上用寄せ、蛍烏賊のなめろう、鰊の旨煮、才巻海老の味噌焼き、フルーツトマトの甘酢漬け、磯辺の一品、金柑。味の方向はそれぞれ異なるが、出汁を中心に据えた和食の構造で一皿にまとまっている。酒肴としての完成度が高く、自然と盃が進む内容だ。

そして蕎麦へ。

「鰊蕎麦」
澄んだ出汁の蕎麦と、甘辛く炊かれた鰊は別皿での提供。まずは蕎麦をすする。長崎・五島の蕎麦は香りがよく、軽やかな出汁の中で輪郭をはっきりと感じさせる。

そこに鰊を合わせれば、脂の旨味と甘辛の味わいが重なり、蕎麦の表情が一段深くなる。気づけば箸が進み、気づけば丼は空になっている。

蕎麦屋でありながら、料理の時間もしっかり楽しませてくれる。前菜をつまみながら酒を飲み、頃合いを見て蕎麦へ向かう。そんな蕎麦屋の過ごし方が似合う一軒だ。主役はあくまで蕎麦だが、その前段の料理があるからこそ蕎麦がより美味しく感じられる。東向島の静かな街に、ゆっくり通いたくなる蕎麦屋が生まれている。ご馳走様でした。

蕎麦割烹 ながの
03-6675-0167
東京都墨田区東向島2-20-6
https://tabelog.com/tokyo/A1312/A131203/13296654/

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