2026.03.02 夜 煙の向こうに、塊ハラミ。@同心亭 焼肉・肉料理 大阪市 10000円〜29999円 ★★★★☆ 大阪・天満の焼肉文化を語るとき、必ず名前が挙がる一軒がある。煙に包まれながら肉を頬張る、いわゆる“もくもく系”の名店『同心亭』。創業40年以上、この街で焼肉好きの胃袋を支え続けてきた老舗だ。一言で表すなら、豪快。洗練された演出ではなく、肉そのものの迫力で勝負する焼肉である。 名物の「上ハラミ」は、その象徴。一般的な焼肉店のようなスライスではなく、巨大な塊肉のまま登場し、店主がロースターの上で焼き上げていく。 さらに仕上げに炎を上げるフランベのパフォーマンス。視覚、嗅覚、そして食欲まで一気に刺激する瞬間で、この店の名物シーンでもある。 主役の「ハラミ」は、塊焼きならではの魅力がある。表面は香ばしく焼き上げられ、中はしっとりとレア。カットされた断面から肉汁がじわりと溢れ、噛むと旨味が一気に広がる。脂のキレが良く、重さを感じさせないため、思っていたよりも軽やかに食べ進めてしまう。最初は躊躇した量でも、気づけば皿が空になっている。 脇を固める肉たちも個性がはっきりしている。 「タン」は軽快な歯切れと肉の甘みが立ち上がる焼肉のスタート役。 「上ミノ」は包丁の入れ方が巧みで、コリコリとした食感の中に噛み切りやすさがある。 「コリコリ」は名前通りの食感担当で、焼肉のリズムを整える存在。「ツラミ」は頬肉らしい濃い旨味が特徴で、噛み締めるほどに肉の味が滲み出る部位。 「テッチャン」は脂の甘みが主役で、皮目を香ばしく焼いた瞬間に旨味が爆発する。 そして「ライス」。この店の肉は、間違いなく米を呼ぶタイプの味だ。ハラミの肉汁をまとったご飯を頬張ると、焼肉の幸福がシンプルに成立する。 煙、炎、肉汁。焼肉の楽しさをストレートにぶつけてくるのが『同心亭』という店だ。天満の夜、煙の向こうで肉が焼ける。その景色の中で肉を頬張る時間は、焼肉の原風景そのもの。ちなみに、この店では「タン」と「ハラミ」は最初の注文のみ。追加はできない。だから最初のオーダーでグラム数を決める必要がある。多すぎるか、足りないか。その読みも含めて、この店の醍醐味。ご馳走様でした。 — 同心亭06-6358-5991大阪府大阪市北区同心2-15-25https://tabelog.com/osaka/A2701/A270304/27003798/