2026.03.02 昼 無限の探究、その一杯。@中華そば 無限 ラーメン・つけめん 大阪市 1000円〜2999円 ★★★★☆ 海老江駅のほど近く、住宅街に溶け込むように佇む『中華そば 無限』。2012年創業。店名の“無限”には、素材の組み合わせや味づくりの可能性に終わりはないという想いが込められている。その言葉を裏付けるエピソードがある。創業から約10年の間に、スープのレシピを微調整・変更した回数はおよそ700回。単純計算でも、ほぼ週に一度は手を入れてきたことになる。目指すのは、地鶏の旨味を最大限に引き出した清湯スープ。その輪郭をどこまで研ぎ澄ませることができるか。その探究の積み重ねが、この一杯に宿っている。 そして、その探究の結果が最初の“儀式”だ。 着丼した「特製中華そば」。 まずレンゲでスープを三杯ほど小鉢へ移す。麺が触れる前のスープを取り分けておくためのものだ。ただし、ここでは飲まない。そのまま置いておく。スープの味の話は、ラーメンを食べ終わるまで少し待ってもらおう。 麺は自家製の中細ストレート。むちっと押し返す弾力があり、しっかりとスープを持ち上げる。太めのメンマは繊維感が心地よく、味の入りもいい。レアチャーシューはしっとりとした火入れで肉の旨味を素直に伝え、味玉のとろりとした黄身が全体を丸くまとめる。気づけば箸は止まらない。 そして食べ終えたところで、最初の儀式を回収する。取り分けておいた小鉢のスープを口へ運ぶ。 ひと口。……断然、うまい。 ラーメンとして飲んでいたスープよりも、旨味の輪郭がぐっと前に出る。鶏の旨味が力強く立ち上がり、そこに鶏油の香りとコクが重なる。ここまで変わるのかと驚かされる瞬間だ。麺に触れていないスープだからこそ感じられる、地鶏スープ本来の味わい。最初に小鉢へ移すという行為は、この体験のための伏線だったわけだ。 そしてもう一つの楽しみが「二杯目そば」。小サイズの一杯で、この日は「油」を選択。鰹節、刻み海苔、ほんのり効かせたニンニク。スープを張らず、タレと油で麺を和える構成で、麺の弾力と小麦の風味がよりダイレクトに伝わってくる。 だが、この店の主役はやはり「中華そば」だろう。麺を食べ終えたあと、小鉢に残しておいたスープを口にすると、その輪郭が一段と鮮明になる。最初の儀式は、この違いを知るためのものだった。長い探究の末に辿り着いた一杯。そのこだわりが、最後のひと口で静かに結実する。海老江で、地鶏清湯の奥行きを改めて思い知る「中華そば」。ご馳走様でした。 — 中華そば 無限大阪府大阪市福島区海老江5-5-10https://tabelog.com/osaka/A2701/A270108/27053626/