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2026.02.25 昼

二日酔いに沁みた、台湾仕込みの一杯 @福琳

世界料理(アジア)

六本木・麻布・広尾

1000円〜2999円

★★★☆☆

麻布十番の路地裏に、台湾の家庭の空気をそのまま運んできたような一軒がある。2007年創業の『福琳』。入口に掲げられた「福」の字は逆さま。中国語で“倒(ダオ)”と“到(ダオ)”が同音であることから、福を倒す=福が到る、という縁起担ぎだ。こうした細部まできちんと現地の文化をなぞる姿勢が、この店の芯を物語る。台湾出身の家族が営み、実家に帰ってきたような安心感が漂う。

主役は「おかゆセット」。丼いっぱいに広がる白濁の世界は、単なる薄味ではない。ひと匙ごとに浅蜊、鶏肉、蟹蒲鉾、木耳、人参、青菜、セロリが現れる。とろりとした口当たりの奥から鶏の出汁が立ち上がり土台を支える。そこへ青菜の風味や浅利の旨みが差し込み、味わいは一気に立体的に。さっぱりしながらも旨味は多層的で、身体にじわりと染み渡る。

「大根餅」も外せない。表面はカリッと香ばしく、中はもっちり。米粉の甘みと大根の水分が溶け合い、噛むほどに滋味が広がる。特製の醤油ダレを「おかゆ」にひと垂らしすれば、穏やかな白の味わいにくっきりとした線が入る。さらに添えられた漬物がもう一本の線を引き、全体の輪郭を形作る。

台湾出身の家族が営み、その家族が自然体で作る空気が、そのまま店の空気になる。そして提供されるのは、台湾で日常的に親しまれている「おかゆ」。滋味深く、具だくさんで、身体にすっと入っていくあの感じ。ちなみに今日はしっかり二日酔い。そんな胃袋に、この一杯はやけに優しかった。ご馳走様でした。

福琳
03-5445-4774
東京都港区麻布十番2-20-5 2F
https://tabelog.com/tokyo/A1307/A130702/13049700/

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