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2026.02.22 昼

設計された甘味の説得力@ロートンヌ 秋津本店

デザート

西東京市周辺

〜999円

★★★★☆

秋津駅前の生活導線上に行列をつくる一軒、『ロートンヌ 秋津本店』。2006年創業。店名はフランス語で“秋”を意味する「L’AUTOMNE」に由来し、秋津という土地への敬意と実りの季節の豊かさを重ね合わせたものだ。フランス菓子の構築美を土台に、日本の四季と素材を掛け合わせる。その思想が、このローカル駅前にこれだけの人を集める理由になっている。

オーナーシェフは神田広達氏。東京製菓学校で基礎を築き、都内の名店で研鑽を積み、渡仏。本場でクラシック菓子の理論と技術を体得したのち、地元で独立。ジャパンケーキショー東京などでの受賞歴も持つ実力派だ。重厚なフランス菓子をそのまま持ち込むのではなく、日本人の味覚に合わせて甘味や脂肪分を緻密に設計し直す。

まずは「和栗のモンブラン」。国産和栗を使った数量限定の看板商品。幾重にも絞られたマロンクリームは山の稜線のように美しく、フォークを入れた瞬間にほろりとほどける。口に含めば、和栗特有のほくほくとした質感と、自然で奥行きのある甘みが一気に広がる。砂糖の甘さではなく、栗そのものの甘みを引き出す設計。そして土台は軽やかな焼きメレンゲ。外側はさくりと儚く、内側はわずかにしっとり。そのエアリーな食感がクリームのコクを受け止め、栗の密度を際立たせる。重さを支えるためではなく、全体を軽やかに着地させるためのメレンゲ使い。濃厚さとキレの両立。これはこの店の代名詞と呼ぶにふさわしい完成度だ。

続いて「シャンテ フレーズ」。スポンジ、生クリーム、苺という王道構成。だが、この定番にこそ実力が表れる。きめ細かなスポンジは空気を抱き込み、しっとりとほどける。クリームはミルキーでありながら舌に残らない設計。苺の酸味が甘味を引き締め、全体のバランスを美しく整える。甘味・酸味・乳脂肪の三角形がきれいに成立し、最後の一口までリズムが崩れない。

秋津というローカル駅前にありながら、遠方からも客を引き寄せる求心力。フランス菓子の理論、日本の素材、そして土地への愛着。その三位一体が、ショーケースの中に凝縮されている。完成度と個性を兼ね備えた一軒。和栗の季節になれば、またあの山を目指して並びたくなる。訪れる価値あり。ご馳走様でした。

ロートンヌ 秋津本店
042-391-3222
東京都東村山市秋津町5-13-4
https://tabelog.com/tokyo/A1328/A132806/13005967/

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