2026.02.21 昼 筑波山麓で、半世紀も鴨と向き合う。@鴨亭 焼肉・肉料理 つくば・土浦・石岡 5000円〜9999円 ★★★☆☆ 筑波山の麓に佇む、半世紀、鴨と向き合ってきた店『鴨亭』。創業は1975年。震災前までは店のすぐ近くで鴨を飼育していたが、現在は場所を移しながらも自家養殖を続けている。環境が変わっても、鴨を自分たちで育てる姿勢は変わらない。その積み重ねが、この店の輪郭を形づくっている。 名物は「鴨石焼き定食」。胸肉は焼く前にワインへさっと浸してから石板へ。焼き始めると脂がじわりと溶け出し、その脂で長葱、南瓜、椎茸、ピーマンを焼いていく。 椎茸は日本酒に浸してから焼くというひと手間。視覚的には艶のある赤身、耳にはじゅうじゅうという音。口に含めばしっとりとした弾力、後から鴨脂の甘みが広がる。脂をまとった野菜の甘さが重なり、味はより丸くなる。 「鴨南蛮そば」は出汁まで鴨で引く一杯。鰹ではなく鴨を主軸に置く構成はなかなか珍しい。油膜の張ったつゆは厚みがあり、常陸秋そばの香りを包み込む。啜った瞬間に甘み、続いてコク、最後に葱の刺激。やや力強い印象もあるが、鴨を前面に出す意図は明確だ。 「鴨もも燻製」は一本丸ごと。桜の木で燻し、香味野菜とスパイスで漬け込む。外側に濃い燻香をまとい、肉質は締まりがあり噛み応え十分。噛むほどに野性味と旨味が押し寄せる、力強い仕上がりだ。 2012年には東銀座へ暖簾分けの形で展開。筑波で培った鴨料理の軸を、そのまま都心へと広げた。半世紀の積み重ねがあるからこその展開だろう。自家養殖の鴨を軸に据え続けてきた歴史には確かな重みがある。筑波山を眺めながら石板で鴨を焼く時間。その体験込みで味わう店だ。ご馳走様でした。 — 鴨亭0296-54-1122茨城県桜川市真壁町椎尾2527https://tabelog.com/ibaraki/A0802/A080201/8000369/