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2026.02.16 昼

無化調でここまで厚みを出す設計力@うずとかみなり

ラーメン・つけめん

鎌倉・湘南

1000円〜2999円

★★★★☆

藤沢の街並みに映えるブルーの外観。その清涼感の奥に確かな熱量を潜ませる『うずとかみなり』。2022年3月創業。屋号に掲げるのは、一杯の中に渦巻く情熱と雷鳴のような衝撃を。そのレベルを目指したラーメンを出し続け、結果として藤沢で確固たる人気を築いている一軒だ。

月曜は限定のみ。王道狙いだったので残念ではあったが、気を取り直して「お出汁中華そば」。結果的に、この一杯でも十分に店の実力は伝わってきた。丼顔は実に端正。澄み切った琥珀色のスープ、整然と並ぶ九条葱、艶やかな味玉、凛と立つ海苔。視覚の段階で完成度が伝わる。

スープを啜る。豚や煮干し、鰹節などを重ねた出汁が幾重にも広がる。旨味は厚いが濁らない。無化調らしい透明感を保ちながら、味の密度は十分だ。後半に生姜が立ち上がり、全体を引き締める。その入り方が実に巧みで、出汁の余韻を壊さず、輪郭だけを整えていく。油の量も計算され、軽やかさとコクが均衡する。気づけばスープを飲み干している。

麺もうまい。多加水の手揉み麺は、もちりとした弾力と滑らかな啜り心地を両立。小麦の甘みを感じさせながら、スープを的確に抱え込む。持ち上げは強すぎず弱すぎず、出汁と拮抗する関係を築く。どちらかが主役に寄り切らない。この均衡こそが、この一杯の完成度を支えている。

そこに合わせた「胡椒めし」がまた憎い。炊き立ての米に黒胡椒を効かせただけの潔い構成だが、これがスープと抜群に合う。まずはそのまま、米の甘みと胡椒のキレを楽しむ。そして終盤、残した出汁をひと匙落とす。米がスープを吸い込み、出汁の旨味が輪郭を持って立ち上がる。

サイドメニューも抜かりない。チャーシューの延長線上にある「四万十ポークの肉汁焼売」は、その肉質の良さを別角度から提示する一皿だ。ふわりと蒸し上げられた薄皮の中に、四万十ポーク特有の甘い脂と密度のある赤身の旨味を閉じ込める。箸で持ち上げた瞬間から柔らかく、噛めばじゅわりと肉汁が広がる。

そして最後に触れておきたいのが店主の存在だ。イケメンである。だが印象に残るのは顔立ちだけではない。鍋前に立つ姿勢、麺上げの高さ、丼を差し出す角度。動きに無駄がなく、整っている。接客もいい。声のトーンは柔らかく、距離感は自然体。その丁寧さが店全体の空気を作っている。所作が整い、味が整い、空間が整う。だから丼も整う。ラーメンも人もイケメン。見た目の話ではなく、芯が通っているという意味でのイケメンだ。藤沢で支持を集める理由は、その総合力にある。ご馳走様でした。

うずとかみなり
神奈川県藤沢市鵠沼桜が岡3-5-7
https://tabelog.com/kanagawa/A1404/A140404/14086414/

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