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2026.02.16 昼

修行の記憶を焼き直す、湘南の実力派ブーランジュリー@マダムルージュ

パン・サンドイッチ・ハンバーガー

鎌倉・湘南

〜999円

★★★★☆

湘南の街角に静かに溶け込むブーランジュリー『マダムルージュ』。黒を基調にした外観に、赤いドレスのマダムのロゴ。その“Rouge”は情熱の赤であり、オーナーシェフ土屋伸明氏の妻・あかねさんの名に由来するという。創業は2012年。フランスでの修行、都内のベーカリーやパティスリー、ホテルの製パン部門で積み上げた経験を携え、この地に根を下ろした。ここに並ぶパンは、修行時代の技術と思い出をベースに再構築された味わいだ。

一番人気の「ジャンボンフロマージュ」。分厚く重ねられたハムとブリーチーズの断面がまず食欲を刺激する。だが主役はやはりパン生地。外皮はざくりと香ばしく、内側はもっちりと弾力を保つ。噛んだ瞬間、小麦の甘みがじわりと広がり、そこへハムの塩気とチーズのコクが重なる。脂と塩分を、ほのかな酸味がきれいに受け止め、全体を一つにまとめ上げる。気づけば夢中で食べ進めている。

「クロワッサン パリ」もまた、修行時代の記憶が土台にある一品。均一に重なる層、艶やかな焼き色。手に持つと軽く、噛んだ瞬間にサクッと乾いた音が立つ。次いで発酵バターの芳醇な香りが広がり、中心部のしっとりとした層がやわらかな甘みを運ぶ。焦がしすぎない焼成で後味は澄んでいる。クラシックだからこそ誤魔化しが効かない。その完成度が、この店の基礎体力を物語る。

『マダムルージュ』は、修行時代に培った技術を、この街で実装し続けるブーランジュリーだ。経験はストーリーとしてではなく、パンの完成度として表れる。折り込みの精度、発酵の安定、焼成の見極め。その積み重ねが、そのまま味の説得力になる。地域に根を下ろしながら、職人としての基礎を丁寧に積み上げる一軒。ご馳走様でした。

マダムルージュ
0466-86-7713
神奈川県藤沢市朝日町12-1 1F
https://tabelog.com/kanagawa/A1404/A140404/14046435/

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