2026.02.13 昼 移転後も揺るがぬ、創業60年のかき揚げ丼@天茂 天ぷら 赤坂・永田町・溜池 1000円〜2999円 ★★★☆☆ ビル解体を機に2025年、赤坂で新たな一歩を踏み出した『天茂』。昭和39年創業。銀座「天一」で研鑽を積んだ先代・倉茂富夫氏が1964年に暖簾を掲げ、屋号の「茂」はその名から一字を取る。現在は娘が揚げ場に立ち、味を繋ぐ。家族で守り抜いてきた江戸前天丼の系譜が、場所を変えて続いている。 メニューは「かき揚げ丼」と「天丼」の二択。 主役は「かき揚げ丼」。小海老と小柱をたっぷり束ね、胡麻油ベースの油で一気に揚げる。丼を覆い尽くすほどの大ぶりなかき揚げは、もはや蓋のような存在感。見た瞬間に腹が鳴る。仕上げは長年継ぎ足された黒いタレへ。丼にのせた瞬間、甘辛い香りと湯気が立ち上る。見た目は豪快、箸を入れればザクッとした厚みのある衣。その衣自体が、ご飯と渡り合うための“おかず”の役割を果たす。小海老の甘み、小柱の旨味を抱え込みながら、タレを吸い、米へと橋渡しする装置でもある。 ご飯はやや硬め。この選択が実に理にかなう。濃厚なタレを受け止め、丼全体の構造を保つ。食べ進めるほどに一体感が増し、箸は自然と加速する。そこへ「赤出汁」。濃い丼の合間に差し込まれる味噌のコクが流れを整える。さらに、すだちの皮がひと筋の清涼感を落とす。 守り続けてきた型を、そのまま出す。黒いタレ、厚みのある衣、硬めのご飯。その組み合わせがぶれない。移転しても変わらないのは、この丼の力強さだ。赤坂で天丼を食べるなら、自然と候補に上がる存在だろう。ご馳走様でした。 — 天茂東京都港区赤坂3-12-10 赤坂サンビル 6Fhttps://tabelog.com/tokyo/A1308/A130801/13308723/