2026.02.12 昼 この薩摩黒豚の真価は、一口目にある@名代かつ屋 万さく とんかつ・揚げ物 鹿児島 1000円〜2999円 ★★★★☆ 薩摩黒豚を掲げ、2017年に創業した『名代かつ屋 万さく』。暖簾をくぐれば、黒豚の魅力を真正面から伝えようとする意志がはっきりと伝わる。メニューには「薩摩で生まれしこの味」と力強い言葉。鮮やかな赤身、白身の甘さ、歯切れの良さ。素材への自信を、あえてストレートに打ち出すスタイルだ。黒豚ロースを主役に据えた専門店。 看板の「特上黒豚熟成ロースかつ膳」。まずは何もつけずに、左から三番目を食べよと指南が入る。面白いのは、その順番にちゃんと意味があること。粗めのパン粉で揚げられた衣は立体的で、黄金色に輝く。サクッという乾いた音のあと、じわりと広がる脂の甘み。これが黒豚か、と納得させる力がある。赤身はきめ細かく柔らかい。繊維がほどける感覚が心地いい。 次は岩塩。塩を上からぱらりと落とすと、脂の甘さが一段と鮮明になる。レモンを添えれば酸が輪郭を整え、後味が軽やかに切れる。 さらに特製の「すり胡麻醤油」。胡麻のコクと醤油の旨味が肉汁と混ざり合い、刺身のようにつけて食べる設計。辛子を少し乗せれば、甘い脂に鋭いアクセント。味の組み立てが実にロジカルだ。 山盛りの「千切りキャベツ」は瑞々しく、黒豚の脂を受け止める装置として優秀。「ご飯」は粒立ちよく甘みが立つ。 「味噌汁」は具沢山で穏やか。 「香の物」も抜かりなし。膳全体で脂の甘みを楽しませる設計が整っている。気づけば箸が止まらない。脂が旨いと、こうなる。 2017年創業と若い歴史ながら、黒豚という強い素材を軸に一貫した完成度を築いている。それだけで、この暖簾をくぐる価値はある。ご馳走様でした。 — 名代かつ屋 万さく0995-67-4129鹿児島県姶良市宮島町33-5https://tabelog.com/kagoshima/A4603/A460303/46012095/