2026.02.01 夜 博多の夜を、シンガポールへ@Suiko 日本料理 10000円〜29999円 ★★★★☆ シンガポールのダウンタウンに潜む、炭の香りと郷土の誇りが交差する一軒『酔虎』。ここは、福岡で培った味覚を異国の地で再現した、博多料理と炭火焼きを主軸とする店。炭火でじっくり焼き上げるスタイルが料理に深みを与え、空間にはどこか懐かしさが漂う。手掛けるのは、シンガポールで10年以上の飲食キャリアを持つ石田京大氏。福岡に根ざし、東京や海外でも経験を重ねた人物が、“博多の夜”をそのまま南国に持ち込んだ。 料理は潔く、正統派。だが、その直球勝負がかえって清々しい。炙りの技で旨味を引き出す「炙り博多明太子」は、ピリッとした辛味と燻香が合わさり、口の中で博多の空気を再現する。 「博多一口餃子」は、羽根つきの香ばしさとパリパリ食感が快感で、ひとつひとつのサイズ感も絶妙。 「博多名物 手羽唐」は、サクッと軽い衣からジュワッと染み出す旨味。レモンを搾れば、酒が止まらなくなる。 そして「厚切り牛タン」は、まるでステーキのような堂々たる存在感。表面は香ばしく、内部は肉汁が滴る火入れが見事。横に添えられた刻みネギの醤油だれが、重厚な旨味に爽やかさを与える。 料理はすべて「ちゃんと博多」。それ以上でも以下でもない。海外で郷土料理を食べるときに感じがちな違和感やローカライズの影はここにはなく、皿の上には確かにあの街の空気が乗っている。『酔虎』は、福岡を知る人にも、知らない人にも、それぞれの形で“博多”を届けてくれる。シンガポールの味に少し疲れた時、日本がふと恋しくなった夜、ここに来れば、懐かしさと共に炭火の香りが心をほどいてくれる。ご馳走様でした。 — Suiko(+65) 62350629シンガポール207 River Valley Rd, #01-61 UE SQUAREhttps://tabelog.com/singapore/A5503/A550301/55001754/