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2026.01.25 昼

部族の食卓をなぞる、豊かなビュッフェ@ユズフザイハラール

カレー

福岡市

1000円〜2999円

★★★★☆

福岡・柚須エリアに構える『ユズフザイハラール』。屋号の「ユズフザイ」は、南アジアからパキスタン北西部にかけて広がるパシュトゥーン系の氏族名に由来し、部族を意味する言葉だ。同じ名を持つ人物としては、ノーベル平和賞を受賞した マララ・ユスフザイ が知られているが、ここではあくまで部族名としての使用が本質だろう。ちなみに立地は柚須。読みが重なるのは、もしかしたらダブルミーニングなのかも。

この屋号を掲げる以上、ハラールを守るのは前提条件。原材料も調理工程も、その規範から外れない。この日はビュッフェ形式での提供。鍋が並び、料理名や細かな説明はないが、方向性は食べ進めるうちに自然と見えてくる。

共通して感じるのは、はっきりとしたヘルシーさ。油脂で厚みを作るのではなく、豆や野菜を軸に満足度を組み立てる構成で、全体に重さは残らない。ダール系のカレーは豆の粒感と繊維がしっかりと残り、咀嚼するほど滋味が広がる。ココナッツは甘さを前に出さず、脂質の丸みとして全体を支える役割。マトンは香りを抑え、旨味と栄養感を前面に。豚足のゼラチン質の煮込みはコクがありながら後味は軽く、体にすっと入ってくる。

ここに加わるチキン料理も印象に残る。タンドリーチキンはスパイスを過剰に主張させず、火入れの良さで食べさせる設計。表面は香ばしく、肉そのものの存在感が強い。

フライドチキン系は衣がしっかりめで、ザクっとした食感と香ばしさが前に出るタイプ。ただし油のキレは悪くなく、全体の流れを大きく崩すことはない。

米はバスマティライス。粒立ちが明確で、カレーや煮込みの粘度をしっかり受け止めつつ、後味を引きずらない。香りは控えめで、あくまで料理全体の受け皿に徹しているのが好印象だ。結果として、皿の上に肉も豆も米も並ぶのに、食後感は比較的軽い。

突出した一皿で驚かせる店ではない。だが、皿を重ねるうちに浮かび上がってくるのは、「部族の食卓」というイメージだ。豆で腹を満たし、肉で力を補い、ゼラチン質で身体を支え、米で全体を受け止める。どれも理にかなった構成で、過剰な装飾はない。ここで食べているのは、洗練された料理というより、長く受け継がれてきた食の型。その輪郭を、日本で、ビュッフェという形でなぞっている感覚がある。ご馳走様でした。

ユズフザイハラール
092-292-6636
福岡県福岡市東区多の津1-13-1
https://tabelog.com/fukuoka/A4001/A400201/40055138/

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