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2026.01.20 昼

吉田うどんのど真ん中にある一杯@みうらうどん

うどん

富士五湖・忍野・富士吉田

〜999円

★★★★☆

富士山の麓・富士吉田で生まれ、今もなお地元の胃袋を支える『みうらうどん』。創業は昭和56年(1981年)、吉田うどんの名を全国に知らしめた礎のひとつである。観光地の賑わいとは一線を画す、地域に根ざした一杯。ここで供されるうどんは、観光名物ではなく、紛れもなく“山梨のソウルフード”だ。代々受け継がれてきた製麺と出汁の技法、そして家族経営による温かさが、今も変わらぬ味を生み出している。

この日注文したのは、もちろん店の看板メニュー「肉うどん」。丼の上に整然と並ぶのは、たっぷりの馬肉と茹でキャベツ、そして力強い太麺。これぞ吉田うどんの王道、食べる前から身体が反応してしまうような、圧倒的な安定感と説得力を備えている。

極太でどっしりと構えた手打ちのうどん。

うどんは太くしっかり、噛み締めるほどに小麦の旨味が立ち上がる。典型的な吉田うどんスタイルだが、硬すぎず初心者にも親しみやすいバランスなのが特徴。しっかりとしたコシと、もっちりとした弾力を併せ持ち、歯を押し返してくるような心地よさがある。「噛んで味わう」という吉田うどんの醍醐味を、自然なかたちで体感させてくれる。出汁は、味噌と醤油を合わせたまろやかなスタイル。ベースとなる煮干しの旨味が奥行きを作りつつ、ほんのりとした甘さが全体を包み込む。塩気は控えめで、うどんの存在感とトッピングの味わいを邪魔せず、むしろ引き立てる設計。

そこへ重なるのが、甘辛く煮込まれた「馬肉」。山梨における馬肉文化は深く、保存性と栄養価の高さから家庭料理としても広く根付いてきた。脂身の少ない赤身をじっくりと炊いたそれは、繊維がほぐれるほど柔らかく、噛むほどに甘みと旨味が染み出してくる。出汁との相性も抜群で、口の中でふわりと一体化していく感覚に、思わず目を細めてしまう。

そしてもう一つの主役が「キャベツ」。鮮やかな緑を残した茹でキャベツは、シャキシャキ感とほのかな甘さを兼ね備えた名脇役。馬肉の濃厚な旨味と対照的な軽やかさがあり、うどん・出汁・肉を繋ぐクッションのような役割を果たしている。

そして終盤、味の景色を変えるのが「すりだね」。唐辛子や山椒、胡麻などを練り込んだ地元特製の辛味調味料で、ほんの一匙で全体の輪郭がキュッと引き締まり、後味に奥行きが加わる。甘さと旨味に傾いた構成にピリッとした刺激が加わることで、再び箸が加速する。

『みうらうどん』は、山梨の食文化そのものを体現する存在。硬派なうどんに、滋味深い出汁、山の暮らしに根付いた馬肉文化と、優しさを添えるキャベツ。そして地元の知恵が詰まったすりだね。全てがこの土地の風土と歴史から生まれ、ひとつの丼に収束している。吉田うどんという生活の味を、確かに伝え続ける名店である。

ご馳走様でした。

みうらうどん
0555-30-2377
山梨県富士吉田市下吉田1-22-5
https://tabelog.com/yamanashi/A1903/A190301/19000359/

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