2025.12.24 昼 うどん屋の系譜が辿り着いたラーメン@いわい製麺 うどん 板橋・東武沿線 1000円〜2999円 ★★★☆☆ 住宅街の路地に溶け込むように現れる一軒、『いわい製麺』。その成り立ちを知ると、この店の輪郭ははっきりする。讃岐うどんの名店として知られる「讃岐うどん いわい」の系譜に連なる店で、本店ではうどんを軸にしながら、不定期でラーメンも提供してきた。その流れを受けて、ここでもうどんとラーメンが並ぶ。うどんかラーメンかを切り分けて考えるのではなく、基準にあるのは一貫して“自分たちが打った麺”。その麺を、うどんとして出すのか、ラーメンとして出すのか。その選択が違うだけで、考え方は変わらない。 だから最初に手を伸ばしたのが「自家製中華麺肉そば」だ。 主役は名前の通り、自家製の中華麺。手打ちならではの不揃いな太さと、はっきりとしたちぢれがあり、啜るというより噛ませる設計。口に入れた瞬間に小麦の密度を感じさせ、噛み進めるほどに甘みが立ち上がってくる。この麺の表情は、うどんの延長線上にあると言っていい。スープは出過ぎない。動物系の旨味を土台にしながら、麺と肉を受け止めるための位置にきっちり収まっている。 丼を覆うチャーシューは、量も存在感も十分で、最初に目に入るのはむしろこちらだ。噛めば肉の繊維と脂の旨味がきちんと立ち上がる。味付けは強すぎず弱すぎず、単体で食べても成立するが、麺と一緒に口に運ぶことで完成度が上がるタイプ。ちぢれた中華麺に肉の旨味が絡み、スープを介して一体感が生まれてくる。ここで自然と欲しくなるのが白いご飯。追加したおにぎりに肉をのせ、スープを少し含ませると、ラーメンの一部だったチャーシューが、今度はご飯の相棒として機能し始める。 『いわい製麺』は、ラーメンの世界で強い個性を振りかざす店ではない。しかし、うどん屋の矜持を背負ったラーメンとして見ると、この一杯はとても筋が通っている。丁寧に作られ、安心して食べられ、気づけば完食している。うどんの名店が辿り着いた、ひとつのラーメンの形。ご馳走様でした。 — いわい製麺090-8568-5499東京都板橋区清水町5-11https://tabelog.com/tokyo/A1322/A132205/13234494/